出演者と出演車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:01 UTC 版)
「ミニミニ大作戦 (1969年の映画)」の記事における「出演者と出演車」の解説
B級映画ではあるが、随所の洒脱な展開と、スピード感溢れるカーチェイスシーンによって、後年まで人気の高い作品である。 チャーリー役のマイケル・ケインを始めとする登場人物たちのとぼけた演技も秀逸である。特に、自身収監中の刑務所を我がもののごとく支配するビッグ・ボスのブリッジャーは、同時に女王陛下の熱烈なファンである愛国者、という誇張たっぷりのキャラクターであり、名優ノエル・カワードならではの演技であった。終盤の刑務所内で囚人たち一同に歓喜のコールを受けながら闊歩するシーンでは、カワードは得意の貴族的演技で堂々と喝采に応える貫禄を示し、彼の生涯最後の映画出演を華やかに飾った。 その他の登場人物もエキセントリックで、例えばコンピューター技術の天才であるピーチ教授は、太った女性に執着する嗜好(デブ専)があり、報酬以外にデブの女性を紹介するという条件でイタリア行きを引き受けるという暴走ぶりである。 この映画のもう一方の「主役」は、1960年代のイギリスのアイコンの一つである小型車ミニであり、その他の出演車にも俳優たちに負けない個性的な車が多数見られる。 ユニオンジャックの三色をまとったミニはもちろん、冒頭に登場し、3分間近くに亘り峠のワインディングロードを華麗に舞う姿を見せるも壮絶にクラッシュするランボルギーニミウラや、ミラノの街中にあふれる二代目フィアット・500、アルファロメオ・ジュリアのパトカー、アストンマーティンやジャガー。華麗なドライブシーンから派手な破壊シーン、スピード感あふれるカーアクションなどを彩っている。 原題The Italian Job (イタリア人の仕事)とは、イタリア警察の後手後手ぶりを皮肉ったユーモアであるが、タイトルからして笑い者にされる立場にも関わらず、イタリア当局はこの映画のロケ撮影に全面協力するという度量の広さを見せた。このため英伊両国の国産車がイタリアの街中を派手に疾走する、映画史に残るカーチェイスシーン撮影が実現した。
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