再利用など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 14:47 UTC 版)
日本ではおからは大部分が産業廃棄物として処理される。豆腐工場からおからを回収しブタの飼料として販売していた大阪府の業者が、無許可で廃棄物を収集処分しているとして1993年に廃棄物処理法違反で検挙された。裁判で業者は、おからは栄養価が高く、人もブタも食しているため産業廃棄物ではないと主張した。1999年3月10日、最高裁判所は食品以外のおからは無価値なものとして捨てられており、この業者が処理料金を徴収していたため「産業廃棄物」に該当するとして上告棄却、業者に対して罰金50万円の判決が言い渡された。全国民が15gずつ毎日食べれば廃棄物にならないともいわれるが、現状では上記の理由などから多くが廃棄物となってしまう。2008年の報告では処理費用は 8 - 15円/kg。排出から再利用までの時間で腐敗してしまう事が問題となるが、乳酸菌を混合することで腐敗を遅らせることが可能である。 産業廃棄物として回収されたおからは、焼却処分の他には土壌用のボカシ肥や家畜の飼料として利用されてきたが、近年では、おからの再利用について様々な研究がされている。 シリアル食品への利用や、バイオ燃料(木質ペレットやエタノール)への再利用技術の研究も行われている。 大手タイル・トイレメーカーのINAXは、おから乾燥機「オカラット」を使用した再生技術を開発した。おからを瞬時に乾燥させることで、日持ちのする飼料として販売できるようにした。既に15台以上の「オカラット」を納入している。 成分を取り出して基礎化粧品の開発に成功した例、発泡スチロール様の緩衝材の原料、乾燥おからを使った猫砂などの実用例もある。 大豆の代わりにおからを原料として味噌を作成した例もあり、熟成期間が10日間に短縮され、エタノール含量が多く、エステル香が強く、グルタミン酸含量が少なく旨味が乏しかったとの報告がある。しかし乾燥おからを使用した場合には、大豆原料の1.3倍、生おからの1.8倍のグルタミン酸含有を得たとのことである。 おからを原料に納豆菌から生分解性プラスチックであるポリγ-グルタミン酸を製造する研究が進められる。
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