内蔵ROMファームウェア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:49 UTC 版)
「TRS-80 Model 100」の記事における「内蔵ROMファームウェア」の解説
電源を入れると、アプリケーションとファイルのメニューと日時が表示される。ROMファームウェアなので、立ち上がるまでの時間は非常に短かった。単に電源を入れてすぐに使えるだけでなく、前回電源を切ったときの状態を再開できる。カーソルキーで内蔵アプリケーションかデータファイルを選択すると、アプリケーションが起動する。 32KバイトのROMには Microsoft BASIC N82版が内蔵されている。当時の他のBASICと同等の機能を持ち、同時にこのハードウェア専用の機能を備えていた。例えば、画面のピクセルを指定できる描画機能、モデムとシリアルポートのサポート機能、サウンド機能、カセットテープレコーダーへのアクセス機能、リアルタイムクロックへのアクセス機能、バーコードリーダー機能がある。当時の他の Microsoft BASICとは異なり、浮動小数点演算は倍精度である。 その他に、以下のようなプログラムがROMに内蔵されている。 TELECOM 端末ソフト。BASICの制御下で遠隔地のタイムシェアリングシステムに自動的にログインする機能がある。 ADDRSS 住所録管理。 SCHEDL TODOリスト管理。 TEXT テキストエディタ。 システムRAM内の隠しファイルの名前は "Hayashi" と "Suzuki" となっており、林淳二と鈴木仁志の二人の設計者を讃えている。もう1つの隠しファイルは "RickY" で Rick Yamashita(山下良蔵) を指している。Model 100 の内蔵ソフトは ビル・ゲイツ自身が Suzuki と共に書いたコードが含まれている最後のMicrosoft製品である。ゲイツ自身が「このマシンを私が懐かしく思っているのは、これが私がかなりのコードを書いた最後の製品になったということも関係している」と述べている データファイルはバッテリーバックアップされたSRAM上に保存される。また、カセットテープレコーダーに保存することもできる。オプションの周辺機器を使えばフロッピーディスクにも保存できた。追加のROMを組み込むことでカスタマイズされたアプリケーションを使うことも可能である。 Model 100 のROMには2000年問題があった。メインメニューに表示される年号は "19xx" となるようにコーディングされていた。この問題のワークアラウンドが存在する。
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