内地からの開拓・入植に際して付けられたもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 06:57 UTC 版)
「北海道の地名・駅名」の記事における「内地からの開拓・入植に際して付けられたもの」の解説
アイヌ語を由来とする地名が存在しない場合、ないしはそれによって付けられた地名が余りにも広範囲を表す場合などに、入植者による独自の地名・駅名が付けられる場合が見られた。 開拓・入植者の名前に因む 開拓・入植者の出身地に因む 開拓・入植者の希望・願望に因む(瑞祥地名) 行政区画名から 1.の例として、元鳥取藩主の池田仲博からとられた池田駅(後に池田町と町名にもなる)、元仙台藩亘理伊達家当主の伊達邦成による統治を由来とする伊達市、坂本龍馬の甥の坂本直寛が開設した「北光社移民団」からとられた北光社駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線、廃止)などが挙げられる。また、元尾張藩主の徳川慶勝が和歌に因んで命名した八雲町のように、命名者の趣味や家紋などから付けられた例もある。 2.は、奈良県の十津川村の者が入植したことから付けられた新十津川、仙台藩白石領の藩士が入植した白石(現・札幌市白石区)、広島県人による北広島などのように、市町村や行政区の名称に名を残すものが見られる。また、北見市常呂町岐阜(岐阜県)、せたな町北檜山区徳島(徳島県)、新篠津村宍粟(兵庫県宍粟市)、豊浦町山梨・新山梨(山梨県)のように出身地が大字となったもの、湧別町千葉団体のように入植者団体名が地区名となったものもある。 3.は、日進駅、瑞穂駅など、開拓の苦しみを反映して、将来の発展を願ってつけたものが多いとされる。旧広尾線幸福駅と駅のあった集落名「幸福」はこの3にあたる。これは、元来「乾いた川」を意味する「サッ・ナイ」に「幸震」(さち・ない)の字をあてたアイヌ語由来の地名であったが、ここに福井県出身者が多かったことから、幸震の幸と福井県の福を合わせて幸福としたものである。 4.は入植に際して行われた区画整理(殖民区画)により、土地が碁盤の目状になったため、それの基線に並行する道路に「東〜線」・「南〜線」、直交する道路に「西〜号」・「北〜号」などといった名前をつけたので、それが通過する地であることが、そのまま地名・駅名となったものである。「東〜線南〜号」などという地名になり、駅名では宗谷本線東六線駅(廃駅)、名寄本線四号線駅(廃駅)などが該当する。都市部では条と丁目が用いられる(宗谷本線旭川四条駅など)。
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