内在的な定式化と外在的な定式化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 06:09 UTC 版)
「微分幾何学」の記事における「内在的な定式化と外在的な定式化」の解説
19世紀の初めから中頃まで、微分幾何は外在的な視点に立って研究されていた。外在的な視点とは、(曲面としてはじめから三次元の空間の中に実現されているものを考えるように)曲線や曲面を、より高い次元のユークリッド空間の中におかれたものとして見ることである。特に単純な部分は曲線の微分幾何学に関する結果である。 これに対し、リーマンによる研究を基点として、問題とする幾何学的対象を一個の自立したものとして考え、その「外に出る」ことを要請しない、内在的な視点が発展してきた。この内在的な視点は、外在的な視点に比べ、より柔軟なものである。例えば相対性理論においては、時空(その「外側」の意味は全く明らかではない)を外在的な方法によって自然に捉えられないため、内在的な方法は便利である。しかし内在的な視点のもとでは曲率や接続などの中心的な概念を定義することが見かけ上困難になるという代償を払わなければならない。 これら二つの視点は融和させることが可能であり、外在的な幾何とは、内在的に定められた幾何学的対象に付加的な構造を付与することだとも考えられる。ナッシュの埋め込み定理も参照のこと。
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