兵力量について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 23:52 UTC 版)
大日本帝国憲法第11条 天皇は陸海軍を統帥す とあるように、統帥権は天皇大権とされていた。 統帥権のうち、軍事作戦は陸軍では参謀総長が、海軍では海軍軍令部長(後に軍令部総長と改称)が輔弼し、彼らが帷幄上奏し天皇の裁可を経た後、その奉勅命令を伝宣した(但し明治時代は平時では陸海軍大臣伝宣)。 他に軍政上の動員令・編成令・復員令という奉勅命令があり、通常陸海軍大臣が帷幄上奏し、裁可後彼らが伝宣した。 帷幄上奏と裁可を経たものに、他に、平時編制や戦時編制、参謀本部条例や編成要領、勤務令など帷幄上奏勅令があり、これは通常陸海軍大臣が、陸軍軍事教育関係ではおもに教育総監が、帷幄上奏し裁可後、陸海軍大臣が全軍へ詔勅で公布、ないしは詔勅を用いず軍内へ内達し、執行した。 但し帷幄上奏権そのものは参謀総長と軍令部総長、陸海軍大臣、教育総監が所持していたので、だれが帷幄上奏するかは問題ではなく、誰が伝宣(執行)するかが重要であった。 統帥権の独立によって、奉勅命令や帷幄上奏勅令へ政府や帝国議会は介入できなかった。他方、 大日本帝国憲法第12条 天皇は陸海軍の編制及常備兵額を定む とあるように、兵力量(師団数や艦隊など軍の規模)の決定は天皇の編制大権であった。これは軍政をになう陸軍大臣か海軍大臣が輔弼した。 他に、 大日本帝国憲法第55条 国務各大臣は天皇を輔弼し其の責に任す 大日本帝国憲法第5条 天皇は帝国議会の協賛を以て立法権を行ふ 大日本帝国憲法第64条 国家の歳出歳入は毎年予算を以て帝国議会の協賛を経へし とあり、軍の兵力量の決定は、陸海軍大臣も内閣閣僚として属す政府が帝国議会へ法案として提出し、その協賛(議決)を得るべき事項であった。
※この「兵力量について」の解説は、「統帥権」の解説の一部です。
「兵力量について」を含む「統帥権」の記事については、「統帥権」の概要を参照ください。
- 兵力量についてのページへのリンク