公務員によるカラ残業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 21:34 UTC 版)
通常、私企業の経営者にとってカラ残業は利益の損失となる重大な不正行為であり、当該行為者は社内規定等により懲戒解雇等の制裁を受けると共に、賠償の責めを負うこととなる。 ところが、当事者が公務員である場合、組織的な労働時間の改竄が行われることがある。また、監視すべき経理部署までが加担していたり、黙認しているような場合もある。 公務員は私企業のように職員への支払い給与を抑えることで組織の利益、ひいては経営者の利益や管理職の給与向上につながるわけではないという構造が存在しているため、職員の支払い給与を抑えるモチベーションが働かない。また「今年度の予算を消化しないと来年度の予算に影響する」などといった言い訳が正論であるかのように横行するという、税金に対する意識の低さからカラ残業・カラ出張に対する罪悪感が希薄となってしまい、倫理の完全に麻痺した状態が長期に渡って続いていることが多い。そのため、問題の顕現化および解決はかなり難しいとされる。そもそも、公務員の職場にはタイムカードなどがないところも多く、正確に勤務時間を把握することが不可能となっている。この場合には、公務員は自らが残業時間を申告することになるため、不正の温床となる。 また前述の通り、超過勤務(時間外)手当は予算としての総額が各部署ごとに決まっているため、予算を消化できない可能性が出てきた場合には、実際には勤務を行っていないにもかかわらず、勤務を行ったと(虚偽の)申告をするように管理職から求められる場合もある。 例えば雇用、労働を所管する厚生労働省でも、地方支部である都道府県労働局がカラ残業で不正な支給を受けていたことが報道されている(2006年10月23日付読売新聞)。
※この「公務員によるカラ残業」の解説は、「カラ残業」の解説の一部です。
「公務員によるカラ残業」を含む「カラ残業」の記事については、「カラ残業」の概要を参照ください。
- 公務員によるカラ残業のページへのリンク