公務員のストライキの制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 08:32 UTC 版)
「ストライキ」の記事における「公務員のストライキの制限」の解説
日本国内の公務員は、国家公務員法第98条及び地方公務員法第37条により、ストライキが禁止されている。戦後直後は一部の職種を除いて公務員のストライキも認めていたが、1948年7月31日、政令201号によって全ての公務員のストライキが禁止された。その後政令201号は、日本国との平和条約が発効したことに伴うポツダム命令廃止法により1952年10月25日に失効しているが、前述の規定により公務員のストライキが認められていない。 また、1949年に国の直営事業から分離された公共企業体(日本国有鉄道と日本専売公社。1952年に日本電信電話公社が加わる)の職員に対しては、公共企業体等労働関係法(現在の行政執行法人の労働関係に関する法律)が制定され、やはりストライキが禁じられた。 これを不満として、1975年に日本国有鉄道を中心とした三公社五現業職員がストライキ権認容を求めてストを起こす「スト権スト」が起こされたことがあった。政府見解としては、ストを禁止している理由として、職務の公共性や人事院(かつての公共企業体については公共企業体等労働委員会による仲裁・裁定)の存在があることを挙げている。なおこれは国際労働機関(ILO)の結社の自由及び団結権の保護に関する条約及び批准が留保されているとはいえ、市民的及び政治的権利に関する国際規約追加議定書に抵触する疑いがある。 他に労働関係調整法第36条で、「工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又はこれを妨げる行為」としては、職種を問わずストライキが禁止される。 実際に「争議行為が発生したときは、その当事者は、直ちにその旨を労働委員会又は都道府県知事に届け出なければならない。」という規定が労働関係調整法第9条にある。なお、公務員の争議権を含む労働基本権全般の規制と日本国憲法第28条に関する司法判断については、労働基本権#日本の公務員の労働基本権を参照。
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