免責などの規定と特別補償保険
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/04 09:06 UTC 版)
「企画旅行」の記事における「免責などの規定と特別補償保険」の解説
団体行動中はもとより、ツアーに定められた自由行動中でも基本的に特別補償の対象である。ツアー期間中の無断離脱(黙っていなくなること)の場合は対象ではない。また単なる自由行動日ではなく、旅行会社が運送や宿泊の手配を一切していない日があって(往復の飛行機と現地へ到着した日の宿泊しか含まれていないようなツアーの場合など)その日は特別補償の対象にならないことがパンフレットに記載されている場合も対象ではない。また、一般に旅行者や死亡補償金を受け取るべき者の故意、旅行者の自殺行為、犯罪行為又は闘争行為、法令違反行為、疾病、戦争、暴動あるいは特定の危険な運動中の事故によるものなども免責となる。 特別補償は、無過失責任であるにもかかわらず死亡補償金が海外旅行で2500万円、国内旅行で1500万円と高額なこと、入院や通院に対しても見舞金を出さなくてはならないことなど旅行会社の負担が大きいことから、各旅行会社とも上記の免責事項をはじめとする詳細な規定を旅行業約款の中に定めている。また、これを担保するために、各旅行会社とも自社を受取人として特別補償に関する保険を保険会社と契約しているのが普通である。 なお、旅行会社が特別補償に関する保険をかけているから補償金や見舞金が支払われるのではなく、約款に特別補償という規定があるから支払われる。すなわち、特別補償に該当する場合、旅行会社は特別補償保険の付保の有無にかかわらず補償金・見舞金を支払わなくてはならない。その場合、もし旅行会社が特別補償保険をかけていなければ、持ち出しということになるので、前述のように金額が高額であることから、場合によっては十分な支払いが行えない、あるいは支払うと旅行会社の経営が危機に陥る可能性がある。 募集型企画旅行を実施する旅行会社はまず例外なく特別補償保険を付保しているが、受注型企画旅行を専ら実施する旅行会社の中には付保していない例もまれに見られる。消費者の側も旅行契約の際は、受注型企画旅行の項で述べた旅行業者の登録区分の確認に加えて特別補償保険の付保の有無も確認した方がよい。 また、特別補償に関しては、旅行会社が保険会社と契約しているため、保険会社側が支払い条件に合致しないと判断すると、旅行会社は支払いを拒否することとなる。不慮の事故が発生した場合には、旅行会社を相手に正当性を主張しても、最終的には保険会社との調整となり、旅行会社側が間に入っての調整をすることはしないケースがあり、最終的には保険金不払いと言うかたちでの損害賠償請求の訴訟を旅行会社相手に起こすこととなる。このとき、旅行会社は、旅行参加者と保険会社には直接的な契約関係が存在しないため、旅行会社は保険会社を補助参加人として裁判に参加させ、法廷闘争を行うこととなる。
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