免責の効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 05:30 UTC 版)
免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権(非免責債権を除く)について、その責任を免れる(破産法253条)。非免責債権とされるのは、次のような債権である。 租税等の請求権 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権 夫婦間の協力及び扶助の義務、婚姻から生ずる費用の分担の義務、子の監護に関する義務、扶養の義務などにかかる請求権 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権 罰金等の請求権 「責任を免れる」の意味については、見解が分かれる。ひとつは、債務そのものは消滅せず、ただ責任のみが消滅する(したがって、債務は自然債務となる)とする説(自然債務説)であり、もうひとつは、債務そのものが消滅するとする説(債務消滅説)である。 判例は、自然人たる債務者については自然債務説、法人たる債務者については債務消滅説を取っている。破産決定のあった主債務に係る保証人債務や担保権の消滅時効援用については議論がある。 免責の効力は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保には及ばない(破産法253条2項)。
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