光学的性質を用いるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/30 15:29 UTC 版)
「高速液体クロマトグラフィー」の記事における「光学的性質を用いるもの」の解説
吸光度検出器 (Absorbance Detector) 物質の持つ特定波長の光を吸収する性質を利用した検出器。次のようなものが存在している。紫外吸光度検出器 (Ultra-Violet Absorbance Detector):紫外線域の光を使用する。最も一般的に使用される。 可視吸光度検出器 (Visible Light Absorbance Detector):可視光を使用する。 上記2つは、一体型の物が多い。ダイオードアレイ検出器 (Diode Array Detector):幅広い波長を同時に検出できる。結果は、時間、吸光度、波長の三次元で表示することも可能。 旋光度検出器(Optical Rotatory Detector) 旋光または、光学活性を持った物質の検出に使用される。 円二色性検出器 (Circular Dichroism Detector) 偏光特性を利用したもので、光学異性体の検出に使用される。 蛍光検出器 (Fluorescence Detector) 物質にエネルギーを与える(励起)ことにより発光する(蛍光)性質を利用した検出器。一般に選択性が高く高感度で、物質に特異的な検出が可能。蛍光する性質を持たない物質については、その物質を標識することにより検出が可能になる。 屈折率検出器 (Refractive Index Detector) 物質の濃度により光の通過する角度が変わることを利用した検出器。原理上グラジェント分析はできない(グラジェントによって移動相自体の屈折率が変化するため)。また、感度が低いのが欠点だが、大部分の物質に対して使用できる。 蒸発光散乱検出器 (Evaporative Light Scattering Detector) カラム溶出液を噴霧して移動相を蒸発除去後、溶質に光を当ててその散乱光を検出する方法である、不揮発性の成分は何でも検出できる一方、揮発性の高い物質には使用出来ない。以前は感度や操作性の点で難度があり普及しなかったものの、最近では医薬分野におけるニーズ(不純物の確認)の高まりから性能も向上し、検出器として見直されてきた。グラジェント溶出法が適用できるので、糖類の検出では、示差屈折率検出器と比べ5 - 10倍S/N比が高くなり、特に分配法によるオリゴ糖分析に効果を発揮する。
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