溶出法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:21 UTC 版)
Hisタグ付きのタンパク質を担体から溶出させるには、以下のような複数の方法があり目的に応じて使い分けることになる。タンパク質の変性を避けるためできるだけ穏やかな条件が望ましく、この観点からイミダゾール添加が使われることが多い。 類似体との競合 ヒスチジン残基と構造が類似した化合物を高濃度で添加すると、金属イオンの配位が競合するためタンパク質が担体から外れる。イミダゾールはヒスチジンの側鎖を構成する化合物であり、150mM以上の濃度で頻用されている。その他にヒスチジンやヒスタミンなども用いられる場合がある。 pHの低下 pHが低下すると、ヒスチジン残基がプロトン化して金属イオンを配位できなくなるため担体から外れる。金属イオンとしてニッケルを用いる場合には4程度、コバルトでは6程度で溶出される。 金属イオンの除去 強力なキレート剤を加えると、担体に固定化されている金属イオンが失われるためタンパク質が担体から外れる。もっぱらEDTAが用いられる。
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