光デバイス動作の理解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 00:37 UTC 版)
末松は研究の指針を、先述のように「この世にないものを創る」「その原理を明らかにする」として、前者に関しては動的単一モードレーザなどの新しいデバイスを創ったが、他方では、好奇心が旺盛な大学の教育者として、後続の若者達に効率よく伝えるために創り上げてきたデバイスの原理を多くの協力者の叡智により明らかにして系統化した。 高速変調が一つの特徴である半導体レーザの直接変調特性の上限周波数を池上徹彦徹彦と明らかにし(1968)、直接変調の高調波ひずみ量をTchang-hee Hongらと共に与え、その上限周波数で起こる非線形現象をキャリアの拡散長と活性層の横方向の幅を等しくすれば削減できることを古屋一仁と示し、直接変調による波長の動的揺らぎを発見して光ファイバの伝送特性と分散制御の関係を小山二三夫と明らかにし、動的揺らぎを岸野克巳と共に定式化した。他方では、 発振状態の半導体レーザにおける他モードへの利得抑圧効果を、キャリアの緩和現象を基に定式化を進め、西村吉雄、山田実、浅田雅洋らと共に順次、理論の内容を深め(1970)、また、量子箱レーザの利得を明らかにして量子箱の優れた点を浅田雅洋や宮本恭幸と明らかにし、始めて量子箱レーザの発振に平山秀樹らと共に成功した。そして、 キャリアの自然放出光が発振モードに加わる自然放出係数を古屋一仁と共に定式化し、動的単一モード・レーザの単一モード性能を自然放出係数を用いて小山二三夫や小森和弘らと明らかにし(1989)、レーザのスペクトル幅を自然放出係数を用いて定式化した。 収束性光導波路のマトリックス理論解析を吹抜洋司と行い(1968)、ケーブル化による不規則曲がり損失を理論的に明らかにし、損失が許容される単一モード光ファイバのコア径が、1.5μm帯の単一モード光ファイバでは8-10μm程度で実用的な寸法に出来ることを古屋一仁と一緒に示した。
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