使用理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 01:25 UTC 版)
諜報機関が諜報員を募集する際に用いる最も一般的な手順は、外国の政府や組織の中で欲しい情報のある場所(ターゲット)を見つけ、その情報にアクセスできる人を探し出し、その中の一人をスパイ(諜報員)として募集して情報を入手しようとするものである。しかし、政府の極秘情報にアクセスできるのは、高度なセキュリティクリアランス(英語版)を持つ政府職員であり、まさにそのようなスパイ活動のアプローチがされないように、政府のセキュリティ機構によって注意深く監視されている。したがって、外国の諜報機関の代表者が、彼らを勧誘するために密かに会うことは難しい。大企業やテロリストグループなどの民間組織にも、同様のセキュリティ監視システムが存在する。 また、セキュリティクリアランスのプロセスでは、公然と不満を持っていたり、イデオロギーに不満を抱いていたり、国を裏切るような動機を持っている職員は排除されるため、そのような立場にある人はスパイとしての採用を拒否される可能性が高いとされている。そこで一部の諜報機関では、上記のプロセスを逆にして、まずスパイ候補者を募集し、必要な情報にアクセスできる立場になることを期待して、忠誠心を隠して対象となる政府機関でキャリアを積ませる方法もある。 スパイとしてのキャリアは一生の大半を占めるほど長期にわたるため、モグラになる人には高いモチベーションが求められる。一般的な動機としては、イデオロギー(政治的信念)が挙げられる。冷戦時代、西側諸国では、いわゆる同調者と呼ばれる人たちがモグラの主な供給源となった。彼らは、1920年代から1940年代にかけて、若い頃に自国の政府に不満を抱き、実際に共産党には入らなかったが世界の共産主義に共感した西洋人たちであった。
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