ブースターの使用理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/18 02:28 UTC 版)
「ブースター (蒸気機関車)」の記事における「ブースターの使用理由」の解説
ブースターは、標準的な蒸気機関車の基本的な欠点に対処することを意図したものである。まず、ほとんどの蒸気機関車は全ての車輪に動力があるわけではない。レールに伝えられる力の強さは、動力のある車輪(動輪)に掛かっている重量と車輪とレールの間の粘着係数に依存している。動力の無い車輪(従輪)は、駆動力を得るために利用可能なはずの機関車重量を実質的に無駄にしてしまっている。従輪は一般に高速での安定性を目的としているが、低速では必要ではない。 2番目に、蒸気機関車ではピストンが車輪に直接ロッドやクランクと結ばれているので、ギア比が一定である。ギア比が固定であることから、低速での牽引性能と高速性能の間で妥協をしなければならない。高速では故障の恐れがある過度なピストンの運動や蒸気の浪費といった問題がある。この妥協により、低速の蒸気機関車ではボイラーの出力全てを使うことができない。低速ではそれほど速く蒸気を消費しないので、ボイラーが作り出すことのできる蒸気の量と消費できる蒸気の量の間に大きな差が生まれる。ブースターにより、使用されていなかった潜在性能を使用することができる。
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