任務と呼び方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/14 17:19 UTC 版)
『ヤシの葉』の第1章でストウは、蒸気船を使ってジョージア州サバンナに行く様子を伝えている。船上では、乗客から食料と愛情の欠片を請う迷い犬がいる。最終的に船上のある女性のものとなり、彼女の周りに従う。サバンナではホテルのポーターやウェイターによって通りに放り出され、最終的に後に残される。ストウはこの犬とそのような迷った動物の世話をする人を、貧乏人や病人の世話をするキリスト教徒の理想に譬えている。 印象的なオレンジの木は『ヤシの葉』におけるストウの隠喩だった。ストウはそれを「最高に素晴らしく、高貴で、寛大である。それは父なる神がエデンの東で育つようにさせた全ての木の中で、最も驚くべきまた豊饒なものである。」と言い、解放された奴隷を教育するという自分の使命に擬えた。ストウが初めてマンダリンに到着したとき、1868年から1870年、宗教の礼拝は夫のカルビンが主宰してストウの家で行われ、ストウが黒人も白人も子供の日曜学校を教え、時にはストウが礼拝の侍者を務めた。ストウは1869年に隣人のために教会を建てる土地区画を購入し、それが子供達、解放奴隷、さらに学びたい者ならだれでも教育する学校として2倍になった。解放奴隷局の役人との対応でかなりの憤懣を募らせたが、建設は1年以内に終わり、ニューヨークのブルックリンから連れてきた教師が雇われた。ストウの家から教会まで転がしてきたオルガンがあったが、行き来させるのが難しくなったので、学校のクローゼットの中に置かれた。この建物が火事で焼けて、ストウは落胆した。おそらく放浪者が夜に入りこんで、不注意から松材に火を点けてしまったのが原因だが、オーラブ・タレシウスは、ストウが黒人の子供を教育するのを快く思わなかった隣人が放火したことを示唆している。1835年の降霜の後、北フロリダのオレンジの木は地中にあったものですら枯れてしまったが、芽を吹き返し、昆虫に襲われても回復していた。ストウの隣人が教会を再建するために資金を集めるのを手伝っている間に、ストウとその小さな地域社会は学ぶことに熱心な地元の黒人につづり字教本を渡した。ストウは子供たちの教育が遅れているのを批判し、「教育を受けたいと切望している人々が無視のなかで育っているのを見るのは、人を苦しめることにできる最も辛い眺めである」と言っていた。
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