他言語地域の中の言語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 16:30 UTC 版)
「スペインの言語」の記事における「他言語地域の中の言語」の解説
アラゴン州の最東部カタルーニャ州と境界を接する帯状の地域(franja de Aragón)ではカタルーニャ語北西部方言の変種が話されており、話者数はおよそ30,000人を数える(es:Lengua catalana en la Franja de Aragón参照)。この地域で話されるカタルーニャ語と一口に言うが、実際にはそれぞれの地域ごとの違いは小さくない。 ムルシア州の北東部、ヴァレンシア州との境界地域にある山地シエラ・デル・カルチェ(sierra del Carche)地域にあるいくつかの地区ではヴァレンシア語が話されている。この地域のヴァレンシア語は19世紀末から20世紀初頭に隣接するアラカント県の農民たちによって持ち込まれたものである。1950年から1960年にかけてこの地域からの人口流失が顕著になった。2006年のデータではこの地域では697人の住民によってヴァレンシア語が話されていることが確認され、また1990年から2000年にかけてのイギリス国籍を持つ者のこの地域への移住によって、英語も話されている。 ガリシア州に隣接するカスティーリャ・イ・レオン州のレオン県とサモーラ県のガリシア隣接地域のいくつかの自治体ではガリシア語が話されている。また、アストゥリアス州の西部ガリシア隣接地域においても、ガリシア語の地域変種が話されており、この言語はアストゥリアス・ガリシア語(galego de Asturias)、あるいはエオ=ナビア語(eonaviego)とも呼ばれる。この言語については、ガリシア語の変種であるか、ガリシア語とアストゥリアス語の過渡地域の言語であるかの論争があるが(主に政治絡みで)、言語学的にはガリシア語の変種であるとされる。 エストレマドゥーラ州カセレス県の自治体セディージョ(スペイン語版)の中のポルトガルと接する1地区ではポルトガル語が話されている。また、同州のバダホス県のオリベンサを中心とした地域でも、ポルトガル語の変種(portugués oliventino)が話されているが、1940年代までは日常的に話されていたこの言語は現在では衰退が著しく(とくに市街地から離れた集落など)、また、オリベンサの市街地などでは高齢者間にかぎって話されるという状況である。また、カスティーリャ・イ・レオン州サラマンカ県のポルトガルと隣接する自治体ラ・アラメディージャ(スペイン語版)の中の狭い1地区においてもポルトガル語が話されている。
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