仏教文化圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/03 09:28 UTC 版)
ビルマ語、タイ語、クメール語、ラーオ語には、上座部仏教の受容に伴ってサンスクリット語、パーリ語などインド・イラン語派の古典言語から音訳借用された語が非常に多い。近代以降のヨーロッパ諸語からの借用は翻訳借用によっているが、それもパーリ語によるカルクがもっぱらである。一方、チベット語でもインドから大乗仏教を導入し、チベット仏教に発展させたものの、翻訳仏典には固有語を用いた翻訳借用が多く、好対照をなしている。 音訳借用よりも固有語による翻訳借用が多い言語としてモンゴル語が挙げられる。前近代にはチベット仏教の受容によってチベット語から音訳借用しているが、音形はモンゴル語の音素構造によって著しく変化しており、借用語としての意識も薄い。近代以降の借用語はほとんどカルクによるが、借用元の言語は当初漢文ないし中国語であったのに対し、人民共和国時代の外モンゴルではもっぱらロシア語が参照されるようになり、中国に残った内モンゴルのモンゴル語とは語彙に異なりが見られるようになった。
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