今川貞臣とは? わかりやすく解説

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今川貞臣

(今川義範 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/21 10:58 UTC 版)

 
今川 貞臣
時代 南北朝時代 - 室町時代初期
生誕 不詳
死没 不詳
改名 孫松丸(幼名)→義範(初名)→貞臣
官位 従五位下、左京大夫伊予守、陸奥
氏族 遠江今川氏
父母 父:今川貞世、母:土岐頼雄
兄弟 貞臣、名和貞継、言世、尾崎貞兼満範
貞相、角和貞行
花押
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今川 貞臣(いまがわ さだおみ)は、南北朝時代から室町時代初期の武将遠江今川氏第3代当主。今川貞世(了俊)の嫡男。父の絶大な政治力と文化面での功績に加え、長期に君臨した存在に埋没しがちの人物だが、戦略、軍略に長けた名将という評価がある。

初めは義範(よしのり、「義」の字は足利将軍家室町幕府第2代将軍足利義詮か)より偏諱を受けたものとみられる)と名乗り、後に父・貞世の1字により貞臣に改名するが、本項では後者に統一する。父が応永の乱に加担したとされる際の懲罰で、今川姓を称することが禁じられたため、以降は堀越氏に替えて堀越貞臣と称している[1]

生涯

父の貞世(了俊)、叔父である先代の遠江今川氏当主今川仲秋に育てられた。祖父・今川範国の嫡男である駿河今川氏当主の伯父今川範氏正平20年/貞治4年(1365年)に死去、家督を継いだ範氏の嫡男今川氏家も没する。氏家は遺言で従弟にあたる貞臣に跡目を求めていたことで、当初は貞臣が駿河守護職と駿河今川氏の家督を継ぐといわれていたが、父が強硬に拒絶したといわれている。これによって、宗家ではなく遠江今川氏を継ぐことになった(宗家は氏家の弟今川泰範が相続)。氏家の死と泰範の駿河守護補任は正平22年/貞治6年(1367年)4月以降、正平24年/応安2年(1369年)以前とされる[2][3][4]

建徳元年/応安3年(1370年)、父が九州探題に任命されると貞臣も出陣、建徳2年/応安4年(1371年)7月には田原氏能を従えて豊後高崎山城に入城、翌文中元年/応安5年(1372年)正月まで菊池武政と戦った[5][6]。菊池軍が包囲を解いた後は豊前に上陸した父と合流しようとしたが、大友氏継に妨害されて時期が遅れた[7]。文中3年/応安7年(1374年)11月には肥後進発の先鋒を務めた。以降は父に従軍しつつ、豊後で父の代官を務めている[8]元中3年/至徳3年(1386年)、父の代官として赴任していた肥前から離れた叔父の仲秋に代わり肥前の経営に務めた[6]元中7年/康応2年(1390年)に肥後宇土城を攻略して宇土を掌中におさめるなど、多くの合戦で武勲を立てた。

応永2年(1395年)6月に3代将軍足利義満が出家すると追従して仲秋・泰範と共に出家(法名は不明)。同年に父が九州から東帰した後まで貞臣の文書は残っているが、父と一緒かその後間もなく東帰したと考えられる。応永6年(1399年)、遠江で父の代理として国人に命令を送っているため、帰京して遠江へ戻ったとみられる[6][9]

脚注

  1. ^ 奥富敬之 2019, p. 138.
  2. ^ 川添昭二 1964, p. 223.
  3. ^ 小和田哲男 2015, p. 66-73.
  4. ^ 大塚勲 2008, p. 33-34.
  5. ^ 川添昭二 1964, p. 89-90.
  6. ^ a b c 国史大辞典編集委員会 1979, p. 787.
  7. ^ 川添昭二 1964, p. 97.
  8. ^ 川添昭二 1964, p. 107,129.
  9. ^ 大塚勲 2008, p. 36-37.

参考文献




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