人民元改革と人民元切り上げ・管理変動相場の導入
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「人民元」の記事における「人民元改革と人民元切り上げ・管理変動相場の導入」の解説
2005年7月21日に、中国政府が通貨制度改革の実施を発表した。新しい人民元通貨制度は、「市場経済を基礎に、通貨バスケットを参考に調整する管理変動相場制」だと発表した。1998年以来続いた人民元の対米ドル固定相場制に終止符が打たれた。新制度への移行は、人民元の対米ドルレートを1米ドル=8.26元から1米ドル8.11元へ約2パーセント切り上げた。人民元はその後、毎日一定の幅で変動することになった。このとき発表された新制度は、「通貨バスケットを参考に調整する」点で特徴的であり、人民元を米ドル1通貨だけでなく、複数の通貨からなるバスケットに連動させるものである。人民元対米ドルの変化率を計算するには、各バスケットにおける各通貨の比重を掛ける。通貨バスケットの中身は公表されていない。しかし、周小川総裁が、2005年8月10日に行った演説でバスケットの中身について言及したものがある。それによると、「バスケット通貨の選定に関する基本原則は、中国の国際経常収支の主要相手国・地域の通貨を考慮し、貿易収支の比重によって通貨の種類と割合を決定する」とされる。さらに「米ドル、ユーロ、円、ウォンがバスケットの主要構成通貨で、シンガポールドル、英ポンド、マレーシアリンギ、ロシアルーブル、オーストラリアドル、タイバーツ、カナダドルも重要であり、かつ貿易総額100億ドル以上の相手国通貨も無視できない」と述べた。純粋な通貨バスケット制を採っているのであれば、理論上は人民元の上昇・下降は各バスケット通貨の対米ドル変化の比重平均によることになるが、中国人民銀行が発表した新通貨制度は、あくまでも「通貨バスケットを参考に調整する」という管理相場制であり、当局の判断で調整することを意味する。 詳細は「人民元改革」を参照
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