人形製作とセット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 07:26 UTC 版)
「シャーロック ホームズ (人形劇)」の記事における「人形製作とセット」の解説
パペットデザインと人形美術監修の井上文太は、同じ記者会見で、人形の造形に気を配ったと明かしており、ホームズは、広い額と大きな耳で知的で好奇心旺盛なイメージを出し、三谷の意向も受けて、ぷるんととがった鼻をつけている。これは、原作のホームズがそうであるように、鼻に特徴を持たせたいという意図で実現された。三谷はまた、脚本を出す時に、当て書きのような形でイメージキャストを出している。たとえば、『バスカヴィル家の犬』の場合は、ヘンリー・バスカヴィルがウィリアム王子、ステープルトンがウディ・アレンのイメージといった具合にである。 また井上は、今回の人形の造形に当たり、子供が落書きできるようなイメージでデザインしたと語っている。井上は「GTFスマイルチャレンジin江戸川2014」で、この作品と『新・三銃士』を対象としたイラストコンテストの審査員を務めている。顔は基本的に無表情で、演出は能や文楽のように照明によって行われる。髪の毛は、男性の場合はワトソンを除いて、メリーゴーランドのようなポップな塗装である。一方女性の人形の髪は、和服に使う絞りを用いている。 「ビートン校」も参照 セットはドールハウスをイメージしており、特に学校の回廊は、コッツウォルズ地方の修道院の回廊をモチーフとしている。それ以外にも、シャーロック・ホームズ博物館の窓のステンドグラスや、ロンドン市内の駅舎などもセットに応用されている。また、『シャーロック・ホームズ』というイギリスの作品を日本人が手掛ける以上、日本らしさがあっていいという発想から、セットの植物や小道具には、和紙が多用されており、それ以外にも寒冷紗や不織布が用いられていて、自然な風合いを醸し出している。 ビートン校にはアーチャー、ベイカー、クーパー、ディーラーの4つの寮があるという設定で、それぞれのシンボルカラーは臙脂、紺、緑そして灰色である。生徒たちの制服の色はこのシンボルカラーにちなんでおり、ホームズの着ている制服も紺色で、左胸に懐中時計とコンパスをぶら下げている。井上のデザイン原画では、ホームズはどくろの頭がついたステッキを持っており、靴底には『踊る人形』の人形を使って"Sherlock Holmes"と刻んである。ただワトソンは転校生であるため、前の学校の薄茶色の制服を着ている。
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