京王の車両史での位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 03:02 UTC 版)
「京王6000系電車」の記事における「京王の車両史での位置づけ」の解説
6000系は5000系の全長18 mに対し、京王線の建築限界を修正した上で、京王線用として初めて全長20 mの車体を採用した。6000系以降の京王線の新型車両は20 m車体となったが、7000系以降はステンレス車体となったため、6000系は京王線用として20 m級車体を採用した唯一の普通鋼製車両である。6000系で床面(台枠上面)の幅が5000系の最大2,700 mmから2,780 mmに拡げられたため、ホームの改修が行われ、5000系以前の車両は出入口の踏段を拡幅する工事が施工された。 最初の6編成の制御方式は5000系とほぼ同一の部品を採用した抵抗制御だったが、これ以外はすべて界磁チョッパ制御となり、7000系にもほぼ同じ方式が継承された。電気指令ブレーキとT形のワンハンドルマスコンは改良を加えながら6000系以降の京王線用車両に採用されている。 5000系では多種多様の台車が使用されたが、6000系ではほぼ同一形態の2種類の台車に統一され、基本構造は7000系、最終製造車を除く8000系まで継承された。 6000系は製造時から全車が冷房装置装備となり、初期の先頭車は集約分散式冷房装置を採用したが、途中から全車集中式冷房装置に統一され、以降新5000系に至るまで京王線では集約分散式の採用はない。 6000系304両の製造期間である1972年4月から1991年3月の間に7000系132両と併せて436両が製造され、井の頭線からの転用車20両、2600系15両、2000系・2010系・2700系合計103両、5000系17両、5100系24両の179両が廃車された。京王線の車両数は257両増加したことになり、この間にいわゆるグリーン車と、吊り掛け式駆動車が全廃された。 6000系304両の廃車は1998年1月から2011年3月にかけて行われ、この間に8000系40両、9000系264両の合計304両が製造された。6000系を代替したのはすべてVVVFインバータ制御、ステンレス車体の車両であり、6000系の全廃により京王線の営業車から普通鋼製の電車が消滅した。6000系の廃車と並行して6000系とほぼ同じ制御装置を採用していた7000系のVVVF化改造工事が進められたが、京王線から界磁チョッパ制御車が消滅したのは6000系全廃後の2012年となった。
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