CCS(二酸化炭素回収・隔離技術)

具体的には地下約1000メートルの地層にCO2を送り込んで、上部の水分や気体を通さない地層で「ふた」をします。CCSによる貯留可能量は世界で2兆トン、日本で52億トンと試算されています。
日本では地球環境産業技術研究機構(RITE)や帝国石油(現国際石油開発帝石)が新潟県長岡市で実証実験を実施。実験中の04年10月に新潟県中越地震が発生しましたが、特に異常はなく、期せずして安全性を確認できました。
08年6月には電力会社や石油元売りなど24社の出資で日本CCS調査が設立され、CCSの実用化に取り組んでいます。政府の低炭素社会づくり行動計画は「09年度以降早期に大規模実証に着手し、2020年までの実用化を目指す」と宣言しています。
課題はコスト。石炭火力発電所から出たCO2の回収貯留費用は1トン当たり8000円程度とされています。政府は同3000円を普及の分岐点と見ており、大幅な低コスト化が必要です。
コストの大部分は排ガスからCO2だけを分離・回収する工程が占めます。新日本製鉄はRITEと共同で、高炉の排ガスからCO2を効率的に分離する試験設備を09年に建設する予定です。政府は行動計画で、現状1トン当たり約4200円の分離・回収コストを2015年ごろに2000円台、2020年代に1000円台に低減する目標を掲げています。
*1)CCS(Carbon dioxide Capture and Storage):二酸化炭素回収・隔離技術
(掲載日:2008/10/27)
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