二輪車におけるドリフト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 23:37 UTC 版)
「ドリフト走行」の記事における「二輪車におけるドリフト」の解説
二輪車のレースなどでも、ドリフトはよく見られる。スライド走法と呼ばれることもある。ロードレースでは基本はリーンイン(ハングオン)状態でのドリフトであり、オフロードではリーンアウトでのドリフトである。 オフロードコースで行われるモトクロスやダートトラックレースなどでは、ドリフト走行が主体になる。舗装路と未舗装路が混在したコースで開催されるスーパーモタードレースは、舗装路であってもドリフト走行が基本である。 WGPやスーパーバイクレースで用いられるような高出力マシン(ca.200ps/150kg)は、舗装路上といえども完全にグリップ走行するのは不可能である。ダートトラック出身のケニー・ロバーツ は自分がロードレースで最初にスライド走行をしたと発言しているが、マイク・ヘイルウッドなどは1960年代から前後輪ドリフトを行っていたという証言もある。また、リアのスライド自体は1960年代以前から多くのライダーが経験しているとする説もある。現在のMotoGPでは、コーナー進入時に両輪が滑っている状態から倒し込むこと、加速時にパワースライドしたままフロントを浮かせることも珍しくない。バレンティーノ・ロッシに至っては、ブレーキングでカウンターステアを当て、4輪ラリー車のように車体を斜めにスライドさせながらコーナーに進入するという荒技を見せる。ギャリー・マッコイは、派手なドリフト走行で知られている。極限の公道レースとも言えるマン島TTレースでは、コーナーでバワースライドをさせたままフロントを浮かせてそのまま駆け抜けるという常軌を逸した様子がよく見受けられる。当のライダー達は過度なアドレナリン分泌により、全く恐怖を感じないという。 自転車でもドリフト走行は行われる。特にオフロードでのコーナリングでブレーキングにより後輪スライドさせる。強力なリアブレーキさえあれば普通の自転車でも後輪ロックによる舗装路スライド走法は可能である。俗に「チャリドリ」と言う事もある。 ATVやサイドカー、スノーモービルでもドリフト走行はできるが、ATVの場合は車体が大きいため体をイン側に入れることでアウト側に流れることが多い。スノーモービルはフロントをどちらかに傾かせることでスライド走行ができる。サイドカーの場合はオートバイと似ているが、三輪であるため不安定であり側車に座るパッセンジャーの体重移動と本車を運転するドライバーのテクニックが必要となる。
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