二枚貝の閉殻筋とは? わかりやすく解説

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二枚貝の閉殻筋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 05:25 UTC 版)

閉殻筋」の記事における「二枚貝の閉殻筋」の解説

二枚貝の閉殻筋は、上記のとおり一般に貝柱呼ばれているものである。この筋肉は、軟体部背面左右覆っている外とう膜貫通して直接殻の内面付着しており、通常二枚貝がもつ筋肉のなかでは足部筋肉並んで最も強大なのである二枚貝の体は左右二枚の殻で保護されているが、この殻は頂部靱帯によって結合している。靱帯通常、外靱帯その内方に位置する弾帯(内靱帯)とに分けられる。外靱帯は主に両殻をつなぐ役目をもつが、外側から両殻を開く作用もあり、強力な弾力をもつ弾帯内側から殻を押し開くための構造である。二枚貝本に例えるなら、外靱帯背表紙弾帯本の奥に挟んだ消しゴムのような関係にある。この場合、本は消しゴムがあるため完全に閉じることができず、閉じるためには外部から押すか内部から引っ張るかしなければならない。これと同様に二枚貝の殻は力が加わらなければ半開きの状態になる。そのため内部から両殻を引っ張る器官として、左右の殻を結び付ける閉殻筋があり、その収縮によって両殻を閉じることができる。二枚貝は、開こうとする弾帯と、閉じようとする閉殻筋拮抗することで、開き方を調節しているのである調理の際などに、貝柱切られたり、熱で機能失われたりすると殻が自然に開くのはこのためである。 二枚貝の閉殻筋の数は、前後に1本ずつ2本であり、それぞれ閉殻筋、後閉殻筋呼ばれるアサリシジミなどではこの2本がほぼ等しい大きさ(等筋)であるが、ムラサキイガイムール貝)などのイガイ類やタイラギのように、後閉殻筋比べて閉殻筋がかなり小さくなっているもの(不等筋)や、ホタテガイのように、巨大な閉殻筋が殻の中央の大きな領域占めており、前閉殻筋消失しているもの(単筋)もある。巨大な閉殻筋を持つ不等筋や単筋の二枚貝は、しばしば閉殻筋貝柱)を主たる食用部とする重要な水産資源となっている。 殻の内面閉殻筋付着箇所閉殻筋痕と呼ばれる明瞭な痕跡となっており、殻だけの標本化石でも、閉殻筋位置大きさ推測する手がかりとなる。つまり、閉殻筋痕を観察する間接的に軟体部形態推測することができることになり、分類学上重要な形質となっている。 多く筋肉動的に収縮運動をするときも、静的荷重に抗して収縮維持するときも、エネルギー消費する。しかし、閉殻筋など一部筋肉はいったん収縮すると、エネルギー消費した疲労することなく荷重支え続けることができる。こうした筋肉を、制動筋(キャッチ筋,止め金筋)と呼ぶ。

※この「二枚貝の閉殻筋」の解説は、「閉殻筋」の解説の一部です。
「二枚貝の閉殻筋」を含む「閉殻筋」の記事については、「閉殻筋」の概要を参照ください。

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