事業再開の模索と破産手続き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 10:20 UTC 版)
「駿河屋」の記事における「事業再開の模索と破産手続き」の解説
2014年(平成26年)6月16日に当社の労働組合が「この企業とともに、和歌山での再生を目指したい」とする申入書を和歌山地方裁判所と保全管理人に提出し、翌17日から「連合和歌山」の支援を受けながら資産を切り売りして工場を閉鎖するような資産処分を避けるように求める署名活動を開始した。そして、この署名運動で集まった1万2,294人分の署名を6月26日に和歌山地方裁判所に提出した。また、この労働組合の運動については「工場を維持し、できるだけ雇用を守るとする」和歌山市内の企業も賛同していた。 当社の事業停止を受けて、6月22日に和歌山市の和歌山ビッグ愛で元和歌山大学教授の鈴木裕範氏らが中心となって立ち上げた「和菓子と文化と和歌山 大好き市民連」が主催し、緊急シンポジウム「老舗ブランドって何? 駿河屋問題をみんなで考えよう」が開催された。このシンポジウムには約200人が参加して、当社の和菓子の歴史上での重要性を訴える講演や金沢市の老舗和菓子店が行政や市民の協力で倒産危機から再建した例などを元に再建策を議論し、地元の政財界に地元の老舗ブランドの危機を救うために支援するように求める声明を発表した。 しかし、署名を提出する前日の6月25日に和歌山地方裁判所が破産手続開始の決定をし、破産管財人に選任された阪本康文弁護士は「金額的に最もよい条件の会社に売ることになる」との判断を示した。そのため、7月3日に当社の所有する不動産や機械などを一括して購入する相手を決める入札が行われ、有田市の医薬部外品製造販売会社「三和インセクティサイド」の会長の「田中源一郎」が約3.17億円で落札し、労働組合の存続運動に協力する形で参加した和歌山市の企業は及ばない結果に終わった。その結果、2014年8月6日付で本社の土地・建物の不動産などの所有権が田中に移転された。 だが、その後も「駿河屋」の屋号を継承して和菓子職人ら元従業員の再雇用を行って旧本店での営業再開を目指す動きは続いた。 また、同年9月8日に和歌山地方裁判所で開催された第1回債権者集会で、当社の負債総額が約9.4億円あり、納税や労働債権などの優先的破産債権を考慮すると担保などの無い一般債権への配当が0になる見込みが明らかにされた。
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