事故原因と結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/14 06:36 UTC 版)
姿勢制御ロケットの故障の原因については決定的なものは発見されなかったが、最も可能性がありそうなのは電気的なショートであると結論づけられ、中でも静電気の放電によるものが最有力であるとされた。推進器への電力は、スイッチが切られても流れ続けていたことが判明した。そのため同様の問題の再発を防止すべく、それぞれの推進器が独立した回路を持つよう宇宙船の設計が変更された。 NASA副局長のロバート・シーマンズ (Robert Seamans) は事故発生当時、ゴダード宇宙飛行センターが主催する夕食会に出席していて、副長官のヒューバート・H・ハンフリーも来賓の講演者として招かれていた。この事故を受け、シーマンズはNASAの問題調査の過程を軍の事故調査委員会に倣 (なら) って見直すことを決定し、1966年4月14日、新過程「業務管理指示書8621.1 飛行失敗の際の調査方針およびその過程」が成文化された。これは重大な飛行の失敗に対し、通常は計画のさまざまな部署の職員が責任を持っていた事故調査について、それらを超えて独自の調査を優先的に行う権限を副局長に与えた。文書では次のように言明されている:「これは宇宙空間および飛行上の活動で発生した、すべての重大な計画失敗についての原因の調査と記録を行い、その結果見出されたものあるいはその勧告を受けた結果として、適切で正しい行動を行うためのNASAの方針である」。 ジェミニ宇宙船の元請であるマクドネル・エアクラフトもまた、自身の諸過程を変更した。この事故以前は、マクドネル社の上級技術者らは発射の時はケープカナベラル空軍基地にいて、その後飛行の残りの時間はテキサス州ヒューストンの管制センターに飛行機で移動することになっていたが、今回の事故は彼らがヒューストンに移動する途中で発生した。そのためマクドネル社は技術者らを、飛行のすべての時間ヒューストンに常駐させることにした。
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