事故の発生件数・発生確率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 23:27 UTC 版)
「こんにゃくゼリー」の記事における「事故の発生件数・発生確率」の解説
13年間で22件という死亡件数は、「餅」「ご飯」「パン」などを喉に詰まらせ窒息死する事故の件数と比較すると極めて少なく、毎年4,000件以上にもなる食品による窒息死亡事故のうち平均1.7人程度(0.04%)を占めているに過ぎないため、こんにゃくゼリーだけを問題視することには異論もある。 後に、内閣府の食品安全委員会が特定の食品類を1億回口に入れた場合に窒息死する頻度を推計したところ、こんにゃくゼリーによる死亡リスクは0.16〜0.33人とされ、飴類(1.0〜2.7人)と同程度としつつも、ワースト1位の餅(6.8〜7.6人)と4位のパン(0.25人)の間に位置する危険度があるという結果を発表している。 死亡事故のみならず軽症や中等症で済んだ事故を含めた統計では、こんにゃくゼリーによる事故が窒息事故全体に占める件数は更に少ないものとなるが、それは逆に言えば、いざ喉に詰まらせた場合に軽傷で済んでいる者が少なく死亡率が高いという解釈もできる。 消費者庁は、こんにゃくゼリーを喉に詰まらせた場合の重症率を85.7%(7件中6人)と算出し、2位のしらたき・糸こんにゃく(71.4%、7件中5人)を上回り、カステラやヨーグルトと同程度の重症率でしかない餅(54.7%、406件中222人)よりも、はるかに危険な食べ物であるという見解を発表しているが、この統計の手法を疑問視する意見もある。 こんにゃくゼリーの危険性が報道によって周知され対策が行われていた2008年7月にも、1歳9か月の幼児に祖母が警告文を読まず、報道でも危険と指摘されていたこんにゃくゼリーを凍らせた状態で与え、ゼラチン原料のゼリーと同感覚にこんにゃくゼリーを噛まずに(吸い込むように)呑み込み、喉に詰まらせて気道閉塞によって窒息死させてしまうという事故が発生している。 ゼラチン原料の通常のゼリーでも窒息事故は発生しており、吸い込むように飲み込むのは危険である。また、製造者が意図していない「凍らせる」「冷やす」といった危険性を高める要素が加わると、粘性が高まったり、粘膜に付着し易くなったりして、窒息のおりに取り出すのが更に困難となる。ゼラチンと違い体温で柔らかくなったり溶けたりしないグルコマンナンの性質も窒息の可能性を増加させている。国民生活センターでは「子どもや高齢者に絶対に与えない!」という警告を発している。
※この「事故の発生件数・発生確率」の解説は、「こんにゃくゼリー」の解説の一部です。
「事故の発生件数・発生確率」を含む「こんにゃくゼリー」の記事については、「こんにゃくゼリー」の概要を参照ください。
- 事故の発生件数・発生確率のページへのリンク