乾式作業室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/07 08:24 UTC 版)
設計作業はその後2年にわたって続けられたが、このころはNASAの予算が削減される時期に当たっていた(たとえばNASAは1967年の会計年度でアポロ応用計画のために4億5000万ドルを獲得しようとしたが、実際に得ることができたのは4200万ドルだった) :64–65。1967年8月、関係機関はアポロ応用計画で審査されていた、月面地図の作成や月面基地の建設計画がキャンセルされたことを発表した。残されたのは地球周回計画、すなわち軌道作業室とアポロ搭載望遠鏡による太陽観測のみであった。 1968年12月、サターン5型の3度目の飛行でアポロ8号が成功したことにより、サターン5の1機で乾式作業室を打ち上げる余裕が出てきた:66。その後、本来はアポロ18号から20号となる予定だった月飛行が同様にキャンセルされたため、3機のサターン5をアポロ応用計画に回す余裕ができた。これによりブラウン博士の元々の案だった、第二段S-IIを基礎にしたステーションを開発することが可能になったはずだが、このころにはすでにS-IVを元にした設計に関して、多くの作業がこの基本線に沿って続けられていた。余分な力が利用可能になったことで、湿式作業室はもはや必要がなくなった:109–110。サターン5の第一段S-ICと第二段S-IIは、内装がすでに準備された「乾式作業室」を、軌道に直接打ち上げることが可能だったのである。 機器質量 (単位:キログラム)居住空間容積 (単位:立方メートル)全長 (単位:メートル)直径 (単位:メートル)貨物隔壁11,000 — 17.1 6.6 アポロ搭載望遠鏡10,100 — 4.5 3.4 複合ドッキング接続器5,400 32.0 5.3 3.2 気密室22,000 17.4 5.4 3.2 機器部2,100 — 0.91 6.6 軌道作業室28,300 302.0 14.7 6.6 スカイラブ部分総量68,200 351.6 25.1 6.6 アポロ司令・機械船14,000 5.9 11.0 3.9 アポロ宇宙船を含めた総量82,200 357.6 36.1 6.6
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