主語廃止論とは? わかりやすく解説

主語廃止論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:59 UTC 版)

日本語」の記事における「主語廃止論」の解説

日本語・英語の構文違い三上によれば日本語の文は、「紹介シ」の部分に「ガ」「ニ」「ヲ」が同等に係る。英語式の文は、「甲(ガ)」という主語だけが述語紹介シタ」と対立する上述の「象は鼻が長い。」のように、「主語‐述語」の代わりに題目述部」と捉えるべき文が非常に多いことを考えると、日本語の文にはそもそも主語必須でないという見方成り立つ。三上章は、ここから「主語廃止論」(主語という文法用語をやめる提案)を唱えた三上によれば、 甲ガ乙ニ丙ヲ紹介シタ。 という文において、「甲ガ」「乙ニ」「丙ヲ」はいずれも「紹介シ」という行為説明するために必要な要素であり、優劣はない。重要なのは、それらをまとめる述語紹介シタ」の部分である。「甲ガ」「乙ニ」「丙ヲ」はすべて述語補足する語(補語)となる。いっぽう、英語などでの文で主語は、述語人称などの点で呼応しており、特別の存在である。 この考え方従えば、英語式の観点からは「主語省略されている」としかいいようがない文をうまく説明することができる。たとえば、 ハマチ成長したものをブリという。 ここでニュースお伝えます。 日一日暖かくなってきました。 などは、いわゆる主語のない文である。しかし、日本語の文では述語中心があり、補語必要に応じて付け足す考えれば上記いずれも省略のない完全な文と見なし差し支えない今日文法学説では、主語という用語・概念は、作業仮説として有用な面もあるため、なお一般に用いられている。一般的には格助詞「ガ」を伴う文法項を主語見なす。ただし、三上の説に対する形で日本語の文に主語必須であると主張する学説は、生成文法鈴木重幸らの言語学研究会グループなど、主語統語上の重要な役割認め学派除いて少数派である。森重敏は、日本語の文においても主述関係骨子であるとの立場を採るが、この場合主語・述語も、一般に言われるものとはかなり様相を異にしている。現在一般的に行われている学校教育における文法学校文法)では、主語・述語基本とした伝統的な文法用語を用いるのが普通だが、教科書によっては主語特別扱いしないものもある。

※この「主語廃止論」の解説は、「日本語」の解説の一部です。
「主語廃止論」を含む「日本語」の記事については、「日本語」の概要を参照ください。

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