主な般若経典とは? わかりやすく解説

主な般若経典

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 10:00 UTC 版)

般若経」の記事における「主な般若経典」の解説

八千頌般若経』 (はっせんじゅはんにゃきょう、梵: Aṣṭasāhasrikā-prajñāpāramitā Sūtra アシュタサーハスリカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ)紀元前1世紀ころ成立し大乗仏教初期編纂され後の仏発展基礎となった考えられている。 現存サンスクリット本に対応する残存する漢訳は、『道行般若経支婁迦讖訳(179年)、『(小品摩訶般若波羅蜜経鳩摩羅什訳(408年)、のほか計4本である。ネパールでは九法宝典(Navagrantha)の一つとされている。 『二万五千頌般若経』 (にまんごせんじゅはんにゃきょう、梵: Pañcaviṃśatisāhasrikā-prajñāpāramitātra パンチャヴィムシャティサーハスリカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ)現存サンスクリット本に対応する残存する漢訳は計3本、『(大品)摩訶般若波羅蜜経鳩摩羅什訳(403年大品般若経) は中国・日本仏教形成大きな影響与えたナーガールジュナ龍樹)の『大智度論鳩摩羅什訳(402年 - 405年)は、本経対す注釈書である。 『十万般若経』 (じゅうまんじゅはんにゃきょう、梵: Śatasāhasrikā-prajñāpāramitātra シャタサーハスリカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ)現存サンスクリット本に対応する漢訳はないため、鳩摩羅什344年 - 413年)の時代には編纂されていなかった可能性がある。 『金剛般若経』 (こんごうはんにゃきょう金剛般若波羅蜜多経、梵: Vajracchedikā-prajñāpāramitātra ヴァジュラッチェーディカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ)その長さから「三百般若経」とも呼ばれる。 この経は「空」説く般若教典の中で「空」という用語が使われていないため最古層に編纂されたものであるとする意見もある。 漢訳は、玄奘大般若経』「第九断金剛分」(660年-663年)や、『能断金般若波羅蜜多経義浄703年)ほか計6本(7本)あるが、鳩摩羅什訳の『金剛般若波羅蜜経』(402年)が主に使用されている。 『般若心経』 (はんにゃしんぎょう、(仏説摩訶般若波羅蜜多心経、梵: Prajñāpāramitā Hṛdaya プラジュニャーパーラミター・フリダヤ)「二十五頌」から成る最短般若経典最古サンスクリット本が法隆寺に伝わる。(7~8世紀写本とされている) 残存する漢訳は、『摩訶般若波羅蜜大明咒経』鳩摩羅什訳(402年 - 413年)、『般若波羅蜜多心経玄奘訳(649年)があり、こののちも4本残存するが、玄奘訳が広く用いられている。 『大般若波羅蜜多経』 (だいはんにゃはらみったきょう、大般若経) 唐の玄奘西域から関連経典持ち帰って漢訳し、集大成したとされる16600巻。 『第一会』(第1-400巻)は、『十万般若経』の類本とされるが、その対応は明確でない。 『第二会』(第401巻-第478巻)は、『二万五千頌般若経』に相当する。 『第四会』(第538巻-第555巻)及び『第五会』(第556巻-第565巻)は、『八千頌般若経』に相当する。 『第九会 能断金剛分』(第577巻)は、『金剛般若経』に相当する。 『第十般若理趣分』(第578巻)は、真言宗重用する『理趣経』即ち『大楽金剛不空真実三摩耶般若波羅蜜多理趣品』不空訳(720年 - 774年)と比較的近いサンスクリット本の翻訳とされている。 『第十六会 般若波羅蜜多分』(第593巻-第600巻)は、登場する菩薩の名に因んで善勇猛般若経』(ぜんゆうみょうはんにゃきょう)として知られる

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