中止に至る経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 03:20 UTC 版)
「2020年オーストラリアグランプリ」の記事における「中止に至る経緯」の解説
2019新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による影響により、第4戦として4月19日に決勝を迎える予定であった中国GPの開催延期が2月12日に発表された。3月8日には本レースの翌週に開催予定であったバーレーンGPがF1史上初の無観客レースとして開催されることが決まった。ヨーロッパでは特にフェラーリ、アルファタウリ、そしてピレリが拠点を持つイタリアで感染者が急増していたが、フェラーリ陣営は出国する手続きが認められたこともあり、少なくとも各陣営現地入りすることが可能であったため、主催者は予定通りレースを開催する考えであった。 レース開催による感染拡大を防ぐため、水曜日恒例のイベントであるドライバーのサイン会を中止し、ファンがドライバーと接する機会を排除した。木曜日(3月12日)の午前中にチームとF1首脳陣の間で新型コロナウイルスに感染する可能性を最小限にするための対策が話し合われ、全てのテレビメディアスクラムを取りやめた。一方で木曜のドライバー参加のFIA記者会見の際には、「Cash is King(現金は王様)」という皮肉が飛び出し、開催について不安は募る一方であった。 しかし、搬入日である水曜日(3月11日)にマクラーレンのスタッフ1名が体調を崩し、検査の結果新型コロナウイルスに感染していたことが翌日判明したため、マクラーレンは本レースから撤退した。これを受け、F1とFIAおよび各チームで会合が行われ、翌日(3月13日)の朝9時にレースの中止が正式発表された。ちなみにグランプリ中止という意味では2011年バーレーンGPが直近となるが、この時とは状況が異なっている。そのため、グランプリが進行している最中に中止が宣言されたのは1985年ベルギーGP以来となる。ただし、この時は金曜フリー走行実施の段階で舗装された路面が剥がれるトラブルが多発し、走れるコンディションではないというドライバーの抗議もあり中止となったのに対し、今回のようにチームが現地入りしたにもかかわらず、金曜フリー走行開始前に中止となったのは史上初となる。
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