中国における水墨画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 03:27 UTC 版)
中国大陸では殷の時代には墨が使用され、墨を用いた絵画も漢の時代には存在した。漢代の壁画などには墨による線と顔料による着色によって描かれたものが現存している。 唐代には墨の濃淡で表現する絵画が作られるようになった。水墨画は唐代後半に山水画の技法として成立した。また、9世紀、張彦遠は墨色には万物の色彩が含まれているとし「墨色に五彩あり」と画論で述べている。水墨画は西洋画の油絵とは異なり筆墨が紙に浸潤するような画が特徴である。また、水墨画では画家が物体の本質を知覚的・主観的に捉えたもののみが描かれ、自然再現描写を重視する西洋画のように光源を固定した背景(背景上の明暗や陰影)を描かない。 宋代には、文人官僚の余技としての、四君子(蘭竹菊梅)の水墨画が行われた。また、禅宗の普及に伴い、禅宗的故事人物画が水墨で制作された。明代には花卉、果物、野菜、魚などを描く水墨雑画も描かれた。 清明上河図 張択端(北宋、12世紀、北京故宮博物院) 潑墨仙人図 梁楷(南宋、13世紀、国立故宮博物院) 荷花小鳥図 朱耷(清、17世紀、上海博物館)
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