両登録籍の扱いの差異と実情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 07:32 UTC 版)
「朝鮮籍」の記事における「両登録籍の扱いの差異と実情」の解説
朝鮮籍として外国人登録されている場合でも、韓国籍として登録されている場合でも、日本国内においては、実質的な国籍の問題や国家の承認の問題とは無関係であり、法令上の取扱いを異にしない。そもそも、国籍を取得するか否かは各国の国籍法で定められ他国はそれに干渉することはできず、外国人登録制度上の国籍は各国の国籍法で決定された国籍を反映させるに過ぎない。 しかし、在日韓国・朝鮮人が韓国へ入国する場合などにおいて、韓国政府の入国管理の取扱い上、韓国籍ではなく朝鮮籍であった場合に制限がある、などの事情があり、韓国籍を選択する理由は様々である。一方で従来の外国人登録制度では、現在も日本が国家承認していない朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国籍による外国人登録は認められなかった(2012年7月に制度そのものが廃止された。詳しくは外国人登録制度参照)。 在留カードにおいて、国籍・地域表記欄に「台湾」と記載される者が中華民国籍を有するのとは異なり、朝鮮籍であることと朝鮮民主主義人民共和国の国籍の有無には関わりがない。また、日本は北朝鮮と国交がなく、日本と台湾(中華民国)のような関係でもないため、朝鮮民主主義人民共和国の国籍を有することを理由に北朝鮮などと記載することはできない。このように、法制上は、「朝鮮」の表記は「朝鮮半島出身者及びその子孫等で,韓国籍を始めいずれかの国籍があることが確認されていない者」であることを示している。 朝鮮籍である理由としては人によって異なり、北朝鮮を支持する、北朝鮮を支持はしないが韓国も積極的に支持しない、韓国籍を選択したら民族分断を追認することになると考えている、かつて朝鮮戸籍を編制した大日本帝国の後継である日本国と自身との関係を尊重するなど、色々な理由があるとされる[要出典]。 なお、朝鮮籍の維持/韓国籍の取得をめぐっては、在日韓国・朝鮮人の間で長きに渡ってさまざまな論争が繰り広げられた。1990年代後半では、作家・李恢成の韓国籍取得(在日朝鮮人文学参照)をきっかけにして、朝鮮籍を「北でも南でもない『準統一国籍』」と考える作家・金石範と、同じく朝鮮籍を維持しつづけていたが金大中政権発足により韓国は民主化したとみなして韓国籍を取得した李恢成とが雑誌媒体を通して論争を繰り広げた。
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