一坪図書館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 14:53 UTC 版)
山川町民会館図書室時代の1980年(昭和55年)に始まった取り組みで、子供会の指導者と図書室の職員の会話の中で、「1坪あれば読書運動ができるのだが……」という意見が出たことを契機として図書室職員が具現化したものである。個人宅の玄関先などの小さなスペースに山川図書館から配本された図書を置く本棚を設置し、貸し出すというものであり、図書館まで来館することが難しい人の利用を想定している。機能的には配本所に類似するが、配本所の語感が「上からの押し付け」、「静的なイメージ」であったことから、配本所ではなく「一坪図書館」と称することにしたという。 設置協力者である一坪図書館長は、この活動の趣旨に賛同し、子供会や婦人会、PTA役員など社会教育の経験がある人が選ばれた。館長によっては集まった子供に読み聞かせを行うなど、独自の活動を付加していた。この結果、一坪図書館は学校帰りの子供や母親の社交の場となり、農業書を求めて男性も訪れるようになった。1981年(昭和56年)度は貸出総数10,468冊のうち一坪図書館での貸し出しが6,000冊に達し、大きな成果を挙げた。 1980年代には毎年13館程度の一坪図書館があったが、2009年(平成21年)度は7館で運営された。一坪図書館の館長の高齢化や主な利用層であった子供の減少などにより、取り組みの存続が危ぶまれている。
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