ヴァルナによる義務・制約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 05:02 UTC 版)
「ヴァルナ (種姓)」の記事における「ヴァルナによる義務・制約」の解説
バラモンには祭司としての、クシャトリヤには戦士としての、ヴァイシャには平民としての、シュードラには労働者としての役割がある。各ヴァルナに属する人々は自分の所属するヴァルナに課せられた義務に則ることが求められる。たとえ他のヴァルナの仕事のほうが上手くこなせるとしてもやるべきではなく、他ヴァルナの仕事を行うのは危険ですらある。先の『バガヴァッド・ギーター』には、武人でありながら戦うことをためらうアルジュナに対して、クリシュナが武人ならクシャトリヤとしての義務に従うべき、であると語り、アルジュナの迷いを打ち消すべく説かれたと記されている。また、自分のヴァルナから逸脱した行動が禁じられている。トゥルシーダース作『ラーム・チャリト・マーナス(英語版)』の「北方の項」では世の乱れる末世の有様として、シュードラが「宇宙の真理に通じているのなら、どのヴァルナに属するかは関係ない」という理屈でバラモンに論争をしかける事が挙げられている。また持っている財産によってシュードラが高貴にみられることも否定される。『ラーマーヤナ』の第7巻(ウッタラ・カーンダ)73-76では、シュードラ出身の修行者シャンブーカ(英語版)のダルマに反する苦行(タパス)のせいでバラモンの子が死んだと語られ、これを理由にラーマが彼を殺害している。各ヴァルナの雑婚も好ましからざる事態として語られている。 しかしながら、『バガヴァッド・ギーター』や『ラーム・チャリト・マーナス』でもヴァルナの違いにより救済が阻害されるとは説かない。『ラーマーヤナ』でも、ここに記された話を聞く者は、各ヴァルナに応じた利益があると説かれている
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