ワールド・モニュメント・ウォッチ
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「ワールド・モニュメント財団」の記事における「ワールド・モニュメント・ウォッチ」の解説
アメリカン・エキスプレスの援助を受け、1996年の初めよりWMFは最も危機に瀕している遺跡・記念物を100ヵ所選んで「ワールド・モニュメント・ウォッチ (the World Monuments Watch)」リストを隔年で発表している。これは、ユネスコ (UNESCO)によって指定される「世界遺産」リストおよび「危機にさらされている世界遺産(危機遺産)」のリストとは異なるものであるが、範囲の広いユネスコリストに収載された遺産とWMFウォッチリストは重複するものがある。「ワールド・モニュメント・ウォッチ」リストは、無関心、破壊、武力衝突、開発、自然災害、あるいは気候変動によって危機に瀕している世界中の文化遺産について国際的注意を引いている。こうした監視を通じて、WMFは危機に瀕している遺産の保護についての地域社会の支持を啓蒙し、またそういった遺産を救済するための技術的および財政的資源についての勧誘を行っている。 監視対象の遺産は、その分野のエキスパートからなる第三者的委員団によって選ばれる。これらのエキスパートは政府、保存の専門家、非政府組織(NGO)、その他の組織から指名された者の中から選出される。古代から現代まですべての時代の、自然環境から建造物まですべてのタイプの遺産が対象となる。「モニュメント」は考古学的遺産、住居・公共・商業・軍事・宗教建築、文化的眺望、街並みなどであってよい。 2007年6月6日、2008年版の最も危機に瀕しているワールド・モニュメント・ウォッチ・リスト100選が、ワールド・モニュメント財団理事長のボニー・バーナム (Bonnie Burnham) から発表された。今年のリストは、政治紛争、歯止めのない都市および産業開発、そして今回初めて、全地球的気候変動といった、人類が作り出した3つの危機的脅威に光を当てている。2008年版ウォッチリストは、人類が共有してきた歴史に接する唯一の道筋を与えてくれる世界の重要な場所の多くに取り返しのつかない損害を引き起こしながら、人間の活動がよりによって世界の文化遺産に対し最大の脅威となっていることを明確に示している。 「我々は敵に出会った、その敵こそ我々人類である」 - ウォルト・ケリー(漫画家・環境活動家)
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