ロピナビル・リトナビル(抗HIV薬;プロテアーゼ阻害剤)の合剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 21:16 UTC 版)
「COVID-19に対する薬剤転用研究」の記事における「ロピナビル・リトナビル(抗HIV薬;プロテアーゼ阻害剤)の合剤」の解説
ロピナビル・リトナビル(商品はこれらの成分からなる合剤である。商品名 カレトラ (Kaletra) 配合錠またはアルビア (Aluvia);略称 LPV/r)は、上記のように中国での初期の治療から広く用いられている(→ #主な候補の薬剤)。ロピナビルとリトナビルはどちらもHIV感染症に対するHAART療法に用いられ、プロテアーゼを阻害する作用を持つ。 2020年2月26日の日本感染症学会の文書でも、現時点で日本での入手可能性や有害事象等の観点を考慮した抗ウイルス薬の選択肢として筆頭に名前が上がっている。日本の症例報告レベルでも有効とする報告がみられる一方、復旦大学のチームが2020年1月から2月に行ったロピナビル・リトナビル投与群52例を含む134例の比較臨床試験の結果、「症状緩和やウイルス除去促進の影響が見られなかった」と報告した。また、同様の時期に行われた、中国 首都医科大学など多くの医療機関の共同研究でも、計199例で半数にロピナビル・リトナビルを投与するRCTを行った結果、「重度の患者では標準治療を超える利益(benefit)は観察されなかった」と報告した。二件の大規模RCTにおいて、有効性を示すことはできなかった。 米国ガイドラインでは、入院患者および外来患者に対して、ロピナビル、リトナビルおよびその他のHIVプロテアーゼ阻害剤を使用しないことを推奨している。
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