ロシア時代初期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 20:09 UTC 版)
1991年12月のソ連崩壊後もしばらくの間はソ連ルーブルが使用されていたが、1992年にロシア中央銀行最初の紙幣として5,000ロシア・ルーブル紙幣が発行、同年には後に10,000ロシア・ルーブル紙幣も発行された。 1993年には50,000ロシア・ルーブル紙幣が新しく発行されるとともに、10,000・5,000ロシア・ルーブル紙幣が改刷、1,000・500・200・100ルーブルはそれまでソ連・ルーブル紙幣が流通していたが、ロシア・ルーブル紙幣に改刷された。なお、この時の改刷は、10,000・5,000ロシア・ルーブル紙幣については従来の紙幣の色を少し変え、1,000・500ロシア・ルーブル紙幣は、従来のソ連・ルーブル紙幣に描かれていたレーニンの肖像をロシア国旗の掲揚されたクレムリンに置き換えただけの、手軽なデザインだった。進行する急激なインフレにより価値の低下した50ロシア・ルーブル以下は紙幣は発行されず、硬貨となった。このときに発行された硬貨は50・20・10・5・1ルーブルの5種類であった。また、このときに10・5・3・1ソ連・ルーブル紙幣以外の高額ソ連・ルーブル紙幣が流通停止となった。また、旧ソ連時代の硬貨が流通停止となり、カペイカ単位の貨幣が存在しなくなった。なお、1993年シリーズ紙幣には、紙の色を変更するなどのマイナーチェンジを施した1994年版もある。 1994年10月、ルーブルが大暴落した。これはオリガルヒなどによる官有物買収と並んでロシア財政危機の一因となった。 1995年には100,000ルーブル紙幣が新しく発行されるとともに50,000・10,000・5,000・1,000ルーブル紙幣が、100,000ルーブル紙幣と統一デザインで改刷された。これ以降ロシア・ルーブル紙幣はロシアの各都市を題材とする図柄となった。また、僅かの期間の交換期間を経た後で1994年版を除く1993年シリーズ以前の旧紙幣の流通を停止した。これは当時問題となっていたマフィアなどによる資金洗浄を封じる目的があったともいわれる。1996年には500,000ルーブル紙幣が登場した。これがルーブル史上最も大きな数字の紙幣となった。なお、500,000ルーブル紙幣も「1995」と記されている。
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