レッドレーベルとグリーンレーベル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 04:47 UTC 版)
「ベントレー・アルナージ」の記事における「レッドレーベルとグリーンレーベル」の解説
ロールス・ロイスおよびベントレーモーターズの所有権を巡るBMWとフォルクスワーゲングループとの間の買収合戦では、BMWはフォルクスワーゲングループが勝てばエンジンの供給を停止すると脅迫していた。脅迫はBMWがロールス・ロイスのモデルを製造する権利を取得すると同時に撤回されたが、フォルクスワーゲンはライバルが長期的なビジネスパートナーとなる場合のビジネスリスクと評判リスクを受け入れられないのは明らかだった。フォルクスワーゲンはターボRの6.75リットルOHV16バルブエンジンをアルナージの窮屈なエンジンルームに押し込んだ。アルナージはより軽く小さなBMW製32バルブV型8気筒エンジン用に設計されていた。時代遅れの4速ATと組み合わされ、排出ガス規制に対応するための変更により信頼性は低下した。フォルクスワーゲンが何故同じグループのアウディのエンジンを採用しなかったのか疑問が残るが、それは6.75リットルOHVエンジンの伝統により、ファンが獲得できるためと信じられている。 1999年10月、このバージョンはアルナージ・レッドレーベルとして発売された。同時に元のBMWエンジンのバージョンはいくつかの小変更を得て、アルナージ・グリーンレーベルとして発売された。レッドレーベルおよびグリーンレーベルは高剛性ボディーシェルと大きなホイールとブレーキが与えられた。これらの強化は古い6.75リットルエンジンの増加重量のため必要だった。1999年のグリーンレーベルの70 mph(113 km/h)からのブレーキ性能は52 m、後のアルナージTの性能は同じ速度から55 mだった。その他の変更点として、アルパイン製ポップアップ式ナビゲーションシステム、フロントおよびリアのパークディスタンスコントロール、リアシートのレッグルームの増加(フロントのシートバックの変更による)、電動格納式サイドミラー、低速でのパワーステアリングのアシスト量の増加がある。ヘッドライトのレンズカバーはガラス製(1998年-1999年)からプラスティック製(2000年-)に変更された。 ベントレーの広報部門は、レッドレーベルの古い6.75リットルエンジンへの回帰は顧客の需要のためだと主張した。これは正直な説明とは言えなかったが、いくつかの自動車雑誌では受け入れられた。彼らはBMWエンジンを批判し、古いエンジンの復帰を歓迎した。 BMW搭載のアルナージは技術的によりモダンで燃費もかなりよく、DOHC32バルブとツインターボ、そしてボッシュのエンジンマネジメントが組み合わされていた。対照的に古いエンジンはOHV16バルブとシングルターボ、そして高度とはいえないエンジンマネジメントが組み合わされた。最終的にレッドレーベルの出力は増加され、0-60mph(0-97km/h)加速時間はグリーンレーベルより短縮した。しかしBMWのツインターボユニットはレスポンスがよく、DOHCのためレブリミットが高く、51.1/48.9の重量配分も維持できはるかに信頼性が高く、将来的なパフォーマンスアップの余力もあった。BMWエンジンの制限はZF製5HP30トランスミッションで、560 N·m以上のトルクを受けいれられず、ツインターボエンジンはそれに合わせて調整された。 ビッカーズはコンチネンタルとアズールで使用するため古いロールス・ロイス6.75リットルエンジンの生産をコスワースに委託していたため、古いエンジンに戻すことは当然の選択でもあった。 レッドレーベルはギャレット・エアリサーチ(Garrett )製T4シングルターボを搭載した古いV型8気筒エンジンにより、835 N·mの最大トルクを誇った。これは当時最大トルクの最も高い4ドアセダンだった。ゼネラルモーターズの4L80-E型4速オートマチックトランスミッションもまた復活した。 2001年、北米国際オートショーでレッドレーベルのロングホイールベース版が登場された。2000年、グリーンレーベルの生産が終了した。2002年、レッドレーベルが新モデルに置き換えられた。
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