レギュレーションと搭載方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 06:50 UTC 版)
「運動エネルギー回生システム」の記事における「レギュレーションと搭載方法」の解説
F1におけるKERSは、レギュレーション上、2009年から2010年を除き2013年まで任意での搭載が許されていた。 KERSの作動は後輪に限定され、最大出力60kW、1周あたり発揮できるエネルギーは最大で400kJと定められた。これを馬力・時間換算すると81.6馬力のパワーアシストを一周につき6.67秒間使える計算になる。ラップタイムに換算すると、1周あたり0.3秒〜0.5秒の短縮が可能になる。 また『スタートラインを通過して、再度スタートラインに到達するまでを一周とする』という解釈のため、KERSが800kJのエネルギーを貯蔵できれば13.33秒ほぼ連続でKERSを使用することが可能である。特に富士スピードウェイのようなホームストレートが長いサーキットでは最高速に大きく影響を及ぼすと考えられた。 エネルギーの放出は、ドライバーがステアリング上のKERSボタンを押している間に行われる。市販車のようなブレーキ/エンジンとの協調制御は認められておらず、ステアリング上のダイヤルで回生力や出力の調節を行う。 システム構成は自由であるが、使用する全チームがモーター+リチウムイオン電池の電気式を選択した。ウィリアムズはフライホイール開発企業を買収し、独自にバッテリーから電動フライホイールへの切り替えを目指していたが、最終的には見送った。フライホイール装置を燃料タンクの上に設置するつもりだったが、2010年のレギュレーション変更でレース中の再給油が禁止され、燃料タンクが大型化したことでパッケージングが困難になったためである。 主要コンポーネント類は運動性能への影響を抑えるため、車両中心部の低位置に配置されている。MGUはエンジンの前方にあり、ギアを介してクランクシャフトに接続する。バッテリーパックはモノコックの底部(燃料タンクの下)に納める方法が主流だが、マクラーレンはサイドポッド側面、レッドブルはギアボックスの側面に搭載した。
※この「レギュレーションと搭載方法」の解説は、「運動エネルギー回生システム」の解説の一部です。
「レギュレーションと搭載方法」を含む「運動エネルギー回生システム」の記事については、「運動エネルギー回生システム」の概要を参照ください。
- レギュレーションと搭載方法のページへのリンク