レギュラードライバー契約存続問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 06:06 UTC 版)
「ギド・ヴァン・デル・ガルデ」の記事における「レギュラードライバー契約存続問題」の解説
ザウバー#ドライバー多重契約騒動も参照 2015年のF1シーズンを前に、ザウバーは資金難を解決するためレギュラードライバーを前年のエイドリアン・スーティルとエステバン・グティエレスに替えて、多くのスポンサーを抱えるマーカス・エリクソンとフェリペ・ナッセの2人と契約したことを発表した。 しかし、このチームの行動にガルデは2015年のレギュラードライバーとして契約するという内容と相反するものであると主張、ザウバー相手に訴訟を行った。その結果、スイスとオーストラリアの裁判所はガルデ側に勝訴を言い渡した。ザウバーは判決を不服として控訴するも棄却された。これによりエリクソンとナッセのどちらかがレギュラードライバーとしての権利を失うことが決まり、さらにガルデを出走させない場合は判決に背く法廷侮辱罪としてザウバーの資産を差し押さえる可能性も示唆された。しかし、2015年度のFIAスーパーライセンスを所持していないことや開幕戦のオーストラリアGPまでに手続きを進めるも間に合わないために、開幕戦のシートは放棄することで同意。ライセンスの発給はバーレーンGP以降が予定された。これについてエリクソンとナッセのどちらがシートを失うかが注目されていたが、この件にバーニー・エクレストンが介入し最終的にザウバー側が違約金として1500万ユーロ(日本円にして約19億円)をガルデ側に支払うことで合意し、ガルデは訴えを取り下げた。これによって2015年のザウバーのドライバーは当初のエントリー通りエリクソンとナッセが継続することが確定し、ガルデはザウバーとの契約を解除する運びとなった。 この手の「ペイドライバー」による持ち込み資金によるシート奪取は20年以上前から井上隆智穂によって指摘されており、こうした事態が発生した場合いかなる選択肢であろうがレギュラードライバーは2人と決まっていて、どちらかがシートを降りなければならない。おそらく2015年度のシートマネーを支払っているであろうガルデの義理の父マルセル・ボークホーンは、この問題を受けてもザウバーを経済的に支援することを表明しており、ザウバーの縁がこれで完全になくなったわけではなかった。だが、当初から強引にシートを取り返そうとするガルデの行動をいぶかしく思ったファンが多数であり、騒動後にはザウバーの資金難を暴露するなど、自身の印象を悪化させた面もあった。 なお、同じ被害を受けたスーティルは当初は表沙汰にせず、あくまで訴訟は最終手段という位置づけであった。しかし、2016年に入りスーティルもザウバーに対し契約を一方的に破棄されたと主張して違約金約4億円を要求・告訴。裁判の結果、スーティルが勝訴してザウバーに対し違約金の全額支払い命令が下された。これにより、ガルデの行動の正当性が一応は証明された形となり、ガルデの印象は回復した。 余談だが、この騒動ではヴァン・デル・ガルデ、エリクソン、ナッセ、スーティルの4名の他に、グティエレス、そして当時マルシャのジュール・ビアンキまで含めた6名が2015年のレギュラードライバーとして有効な契約をザウバーと交わしていたとされているが、この6名がどういった順番でどのような内容の契約を結んでいたかは現在も明らかになっていない。
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