リチウムジフェニルホスフィド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/13 04:43 UTC 版)
リチウムジフェニルホスフィド | |
---|---|
![]() |
|
Lithium diphenylphosphanide |
|
識別情報 | |
CAS登録番号 | 4541-02-0 |
PubChem | 3478053 |
ChemSpider | 2719164 |
|
|
特性 | |
化学式 | C12H10LiP |
モル質量 | 192.12 g mol−1 |
外観 | 淡黄色固体 |
危険性 | |
GHSピクトグラム | ![]() ![]() ![]() |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
Hフレーズ | H302, H312, H314, H332, H400, H410 |
Pフレーズ | P260, P261, P264, P270, P271, P273, P280, P301+312, P301+330+331, P302+352, P303+361+353, P304+312, P304+340, P305+351+338 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
リチウムジフェニルホスフィド (Lithium diphenylphosphide) は、リチウムと有機リンアニオンを含み、化学式 (C6H5)2PLi で表される。ジフェニルホスフィン誘導体の調製に用いられる、空気に敏感な白色の固体である。エーテル錯体は暗赤色である。

合成と反応
リチウム、ナトリウム、カリウムの塩は、クロロジフェニルホスフィン[2]、トリフェニルホスフィン[3][4]、またはテトラフェニルジホスフィンをアルカリ金属 (M) で還元することにより調製される。
- (C6H5)2PCl + 2 M → (C6H5)2PM + MCl
- (C6H5)3P + 2 M → (C6H5)2PM + MC6H5
- (C6H5)4P2 + 2 M → 2 (C6H5)2PM
ジフェニルホスフィンの脱プロトン化によっても得られる。
塩 (リチウム ジフェニルホスフィド) は、水によって加水分解を受けてジフェニルホスフィンを与える[4]。
- (C6H5)2PLi + H2O → (C6H5)2PH + LiOH
塩は、ハロゲン化アルキルと反応して三級ホスフィンを与える[5]。
- (C6H5)2PM + RX → (C6H5)2PR + MX
金属ハロゲン化物で処理すると、リチウムジフェニルホスフィドは遷移金属ホスフィド錯体を生成する。
構造
アルカリジフェニルホスフィドは塩として扱われるが、溶液中では高度に凝集していて、固体では高分子構造を取る。
関連化合物
- ナトリウムジフェニルホスフィド (CAS Registry Number 4376-01-6)
- カリウムジフェニルホスフィド (CAS Registry Number 15475-27-1)
脚注
- ^ Ruth A. Bartlett, Marilyn M. Olmstead, Philip P. Power (1986). “Structural Characterization of the Solvate Complexes of the Lithium Diorganophosphides [{Li(Et2O)PPh2}∞], [{Li(THF)2PPh2}∞], and [{Li(THF)P(C6H11)2}∞]”. Inorg. Chem. 25: 1243–1247. doi:10.1021/ic00228a034.
- ^ R. Goldsberry Kim Cohn (1972). “Diphenyl(trimethylsilyl)phosphine and Dimethyl(trimethylsilyl)‐phosphine”. Inorganic Syntheses 13: 26-32. doi:10.1002/9780470132449.ch7.
- ^ George W. Luther, III, Gordon Beyerle (1977). “Lithium Diphenylphosphide and Diphenyl(Trimethylsilyl)Phosphine”. Inorganic Syntheses 17: 186-188. doi:10.1002/9780470132487.ch51.
- ^ a b V. D. Bianco, S. Doronzo (1976). “Diphenylphosphine”. Inorganic Syntheses 16: 161-188. doi:10.1002/9780470132470.ch43.
- ^ W. Levason, C. A. Mcauliffe (1976). “Cis‐2‐Diphenylarsinovinyldiphenylphosphine and 2‐Diphenylarsinoethyldiphenylphosphine”. Inorganic Syntheses 16: 188-192. doi:10.1002/9780470132470.ch50.
「リチウム ジフェニルホスフィド」の例文・使い方・用例・文例
- リチウムイオン電池は、負極に黒鉛等の炭素材料を用いています
- 水冷式リチウムイオンバッテリー
- メモリーバックアップのためのリチウム電池の寿命は約5年です。
- リチウムの、または、リチウムを含む
- リン酸アルミニウムリチウムから成る、白色または灰色の鉱物
- 明るい赤色に燃える燃焼物(通常リチウムまたはストロンチウムの塩)
- 周期表第1族に属する1価の金属の総称(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)
- リチウム塩を含むミネラルウォーター
- リチウム珪酸アルミニウムから成る輝石鉱物
- 鉄、マグネシウム、カルシウム、リチウム、およびナトリウムを含むアルミニウムの複雑なホウケイ酸塩と水酸化物である鉱物
- 鉄とリチウムを含んだ雲母
- リチウム爆弾という水素爆弾
- リチウムという原子番号3のアルカリ金属元素
- トリチウムという,水素の放射性同位体
- それはダイハツの軽自動車「ミラバン」から改造され,8320本のリチウムイオン電池を搭載していた。
- この車はリチウムイオン電池を搭載しており,家庭用コンセントから充電できる。
- 実験用の住宅にはリチウムイオン蓄電池と太陽電池が備えられている。
- このモジュールはリチウムイオン二次電池を使用している。
- リチウムイオン電池は従来の鉛蓄電池よりもエネルギー効率が良くて長持ちする。
- リチウムジフェニルホスフィドのページへのリンク