ラッシュらしさの確立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/03 20:23 UTC 版)
「ラッシュ (カナダのバンド)」の記事における「ラッシュらしさの確立」の解説
次作『パーマネント・ウェイヴス』(Permanent Waves) では、レゲエやニューウェーブの要素を取り入れ、今までのプログレ路線から大きく路線変更した。その背景としては、シンセサイザーの導入が増えたことと、レーベルの強い意向もあり、ラジオで流すことのできる短い曲を収録したことが挙げられる。そうして生まれたのが「The Spirit of Radio」や「Freewill」であり、この「耳馴染み易いポップな歌」と「技巧性の高い演奏&複雑なリズムアレンジ」との両立が、以降のラッシュのスタイルになっていく。 ニール・パートの歌詞は、前作『神々の戦い』ですでに見られていた現代文学からの影響をより色濃く反映するようになり、空想的な話や寓話的なものではなく、人間的・社会的なテーマの探求に重点を置いたものになっていく。 『パーマネント・ウェイブス』は、前述したシングル2曲の貢献もあって、バンド初の全米トップ5を獲得した。翌1981年に代表作となる『ムーヴィング・ピクチャーズ』(Moving Pictures) をリリース。全米3位を記録し、『トム・ソーヤ』、『YYZ』、『ライムライト』など、バンドの代表曲となるものも生まれ、人気は頂点に達した。 以降、80年代のラッシュのサウンドはシンセサイザーを中心としたものに変容する。バンドは新しいプロデューサーであるピーター・コリンズを招き、ゲディー・リーによる、複数のシンセサイザーのサウンドを重ね合わせたものを核とする。90年代からは、ギターサウンドに回帰したアルバムを出すようになり、1991年に発表した『ロール・ザ・ボーンズ』(Roll the Bones) ではファンクとヒップホップの要素を見せ、インストゥルメンタル・トラック 「ウェアズ・マイ・シングス? 」ではいくつかのジャズの要素を取り入れている。 このように、時代に合わせてサウンドを変化させながら順調に活動していたラッシュだったが、1997年の「テスト・フォー・エコー」ツアー終了後、娘を交通事故、翌年妻を癌で立て続けに失う不幸がニールを襲う。
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