ユニトラムとは? わかりやすく解説

ユニトラック

(ユニトラム から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/11 12:52 UTC 版)

ユニトラックUNITRACK)は、鉄道模型線路システムである。

本項では姉妹版のユニトラムおよびユニトラックコンパクトについても記述する。

概要

Nゲージ用ユニトラック。手前が現行品(ジョイント線路)、奥は1997年以前の旧製品。

KATOブランドで発売される関水金属鉄道模型線路である。構造は、線路の下の土台部分が一体となった「道床つき」で、あらかじめ曲線半径や円弧の角度、直線の長さが決まっている「組み立て式」が採用されている。Nゲージ用、HOゲージ用、HOゲージのナロー用の3種類が存在する。

レール同士の接続は『ユニジョイナー』と呼ばれる専用の継手が使用されるため、『ユニジョイナー式線路』とも呼称される。ユニジョイナーはレールだけではなく、道床部分も同時に接続するために強固であり、正確な線路状態が維持される特徴がある。ユニジョイナーは関水金属以外では、ドイツのティリヒから発売されているTTゲージ用線路にも採用されている[1]

歴史

  • 1980年 - 日本で発売後、アメリカ合衆国イギリスなどでも発売された。当時の道床は薄茶色だった[2]
  • 1986年 - HOゲージ用の線路を発売[2]
  • 1987年 - 道床を明灰色に変更し、枕木に彩色[2]。このリニューアルが評価され、1989年にN・HOゲージともにグッドデザイン賞を受賞した[3]
  • 1997年 - N・HOゲージの各種発売形態の見直しに伴い再度リニューアルされ、道床が塗装から多色成形に変更され、ユニジョイナーも薄茶色から灰色に変更[2]複線高架線路を発売[2]
  • 2007年 - カント付き複線線路を発売[2]
  • 2010年 - ユニトラック発売30周年[2]
  • 2011年 - ユニトラックの路面バージョンとして「ユニトラム」が発売開始された。
  • 2012年 - ユニトラムにある小半径のカーブレールをユニトラックに反映する形で、小半径のカーブレール「ユニトラックコンパクト」が発売開始となった。このシリーズの曲率はR117、R150、R183の3種類がある。
  • 2014年 - 自社製の「電動ターンテーブル」を発売[注釈 1]

特徴

  • 広い道床、長い枕木、小さい犬釘など実際のバラスト軌道に近いリアルな形状を特徴としている。
  • 世界初の機構完全内装ポイントマシン
  • Nゲージの直線レールの基準は長さが248mm[注釈 2]、標準複線間隔は33mmと複線間隔が狭いことで列車のすれ違いに迫力を持たせている。
    • ユニトラムの標準複線間隔は25mmで、より実感的な軌道中心間隔を実現させている。
  • HOゲージは直線246mmが基準の長さで、標準複線間隔は60mm。
  • 取り外し可能なユニジョイナーは電気的、機械的に確実に接続する。
  • 世界初採用の道床完全内装ポイントマシン。
    • 道床が広いので補助線路を使わない場合は、自分で重なる道床部を切断する必要がある。
  • コネクターによる制御機器との確実な接続。
  • フィーダーは専用線路によって内蔵されていることで見栄えが良い反面、曲線区間の途中に設置できないなど柔軟性に欠けたが、ユニジョイナーにフィーダーを組み込んだ「ターミナルユニジョイナー」が発売されたことにより解消された。
  • 当初、HOゲージ用は枕木と道床部分が別パーツであったため、重い車両を走行させると線路全体がたわむことがあった。後年、Nゲージ用と同様に枕木と道床部分が一体成型となり、強度が増したため問題は解消された。
  • 多色成形による道床のバラスト表現(1997年製造分から)。
  • 米国マイクロ・トレインズ社規格のアンカプラー線路(連結器自動開放セクション)をラインナップ[注釈 3]
  • デジタルコマンドコントロール(DCC)に対応。
  • 固定式線路や他社規格の線路[注釈 4]を接続するためのジョイント線路を発売している[注釈 5]
  • 「PlayTrack」というウェブブラウザ上で動作する専用のシミュレーションソフトウェアが、他社によって有料会員制サービスとして提供されていたが、現在はサービスを終了している[4]

脚注

注釈

  1. ^ 自社製品発売以前は、フライシュマン製の「電動式ターンテーブル (20-280/20-281)」を輸入販売していた。
  2. ^ これはKATOが最初に発売したNゲージ客車オハ31系の車体長(124mm)の2倍である。
  3. ^ ユニトラック用(20-032)と固定式線路用(21-011)の両方扱っている。
  4. ^ TOMIXは1976年より道床付きレール、1978年にターンテーブルを発売するなど、Nゲージレールシステムはトミーが先行していた。
  5. ^ マイクロエースが2002年に発売したベース付レールシステム「ジオラマレール」はユニトラックと互換性があった。

出典

  1. ^ TT-Bettungsgleis”. Tillig Modellbahnen. 2020年2月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 第11回 国際鉄道模型コンベンション(2010年)KATOブース「30th UNITRACK」
  3. ^ ユニトラック”. グッドデザイン賞. 2020年2月29日閲覧。
  4. ^ 鉄夢 PlayTrack - ウェイバックマシン(2011年2月24日アーカイブ分)

関連項目

外部リンク


ユニトラム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:02 UTC 版)

関水金属」の記事における「ユニトラム」の解説

ユニトラムはライトレール用いた未来の街を描く」という街づくり開発コンセプトとし、Nゲージ規格複線軌道とシーナリーベースを一体化した路面軌道プレートからなるシステムである。スタートセットと路面軌道プレートセット (V50) を展開している。 直線部の複線間隔は22mmである。これは既存ユニトラック線路隙間なく2本並べた状態と同等で、接続も可能である。曲線部分内側線・外側線ともに同一曲率であり、90度ごと外側線の曲線開始部が若干オフセットしている。そのため、曲線開始部から45度プレート同士接続点で複線間隔が33mmとなる。 路面軌道プレート軌道面の高さはユニトラック同一に設計している。なお、ユニトラック標準的な複線間隔は33mmであり、従来ユニトラック複線線路ポイントなどと直線部で接続する場合には複線間隔変更が必要であるが、そのための接続線路も用意されている。

※この「ユニトラム」の解説は、「関水金属」の解説の一部です。
「ユニトラム」を含む「関水金属」の記事については、「関水金属」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ユニトラム」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ユニトラム」の関連用語

ユニトラムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ユニトラムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのユニトラック (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの関水金属 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS