モーレル兄弟の商館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 21:07 UTC 版)
「クンタ・キンテ島と関連遺跡群」の記事における「モーレル兄弟の商館」の解説
モーレル兄弟の商館 (Maurel Frères Building, ID761-007) は、ジュフレにある建物で、世界遺産登録面積は0.0191 ha である。 ジュフレも隣接するアルブレダと同じくマンディンゴ人が暮らす村だが、かつては奴隷狩りが行われた土地でもある。『ルーツ』で知られるクンタ・キンテもこの村の出身とされ、キンテ家の末裔は21世紀初頭の時点でもジュフレで暮らしている。また、クンタ・キンテの生家も復元されており、『ルーツ』の大ヒット後に観光客が多く訪れるようになった。ガンビア政府はアルブレダとともに、ジュフレも村そのものを緩衝地域と位置付けていた。 このジュフレで唯一世界遺産に登録されているのが、モーレル兄弟の商館 (Warehouse) である。もともとは1840年頃にイギリス人が建てたものだが、のちにレバノン系商人モーレル兄弟が買い取り、商館として使った。なお、20世紀初頭の西アフリカには、レバノンやシリアから自国の不安定な情勢を嫌った移民たちが多く流入していた。イギリス領だったガンビアも例外ではなく、レバノン系の商人が多く根付き、中には独立当初、手広い事業展開によって国内最大級の富豪として知られていたマディ兄弟のように、大成功を収める者たちもいた。 モーレル兄弟の商館は、1996年に修復された後、小さな博物館になっている。この博物館はセネガンビア地方における大西洋奴隷貿易に関する展示を行なっており、関連する記録文書や写真、絵画、道具などが陳列されている。 ガンビア政府の推薦書の中では、登録基準との対照が明示されていない。ただし、ジュフレ自体がアルブレダなどとともに、奴隷貿易開始前の交易の様子や、奴隷貿易がひどくなっていく過程と結び付けられている。そのジュフレの昔の商館で残っているのは、このモーレル兄弟の建物だけだという。
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