モンゴロイドの区分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:47 UTC 版)
ユーラシア大陸東部のモンゴロイドは、寒冷適応の程度の軽重によって大きく古モンゴロイド・新モンゴロイドに区分されたが、遺伝的に見ると他の集団間の差異に比べて大きな隔たりは存在しない。モンゴル地域・中国東北部・朝鮮半島には新モンゴロイドが比重として圧倒的に多いのに対し、大陸南部や島嶼部へ行く程旧モンゴロイドの比重が高まっているとされる。 現在の人類学では形質研究よりも遺伝子研究が重視されている。遺伝子的には南方系モンゴロイドと北方系モンゴロイドと区分する場合もある。 「日本人バイカル湖畔起源説」も参照 遺伝的な近縁関係から人類集団を分類する近年の学説では、先述の通り、アジアに居住を続けてのちに一部が太平洋諸島・マダガスカル島に移住した東ユーラシア人と、南北アメリカ大陸で分化した南北アメリカ人に、旧来の狭義の「モンゴロイド」が二分されるとする。 区分 北方系古モンゴロイドアイノイド:縄文人。アイヌは典型的なアイノイドだが、オホーツク文化経由で旧アジア人種の影響もある。大和民族はアイノイドと新モンゴロイド(北部モンゴロイド、中部モンゴロイド、南部モンゴロイド)との混血。南西諸島の琉球民族はアイノイドと新モンゴロイド(南部モンゴロイド)との混血。 南方系古モンゴロイドインドシナ人種:中国南部 - 東南アジア北部のインドシナ半島(タイ人(シャム人)、クメール人、モン人(Mon)、チャム人含む)など。インドネシア・マレー人種:インドシナ人種とオーストラロイドとの混血人種で、東南アジア中部 - 南部、台湾(高砂族など台湾原住民)、南太平洋諸島、モルディブ、ハワイ諸島、モーリシャス、マダガスカル、ニュージーランド北部、マレー人、ポリネシア人、ミクロネシア人、マオリ人など。 新モンゴロイド(弥生人・古墳人含む)北部モンゴロイド:北アジア(シベリア、北東アジア)、中央アジア(カザフステップ)、モンゴル、朝鮮半島、ネネツ、モンゴル民族、ツングース系民族など。 中部モンゴロイド:北部モンゴロイド(騎馬遊牧民族)と漢民族との混血人種で漢民族(華北)、アイノイドと新モンゴロイドとの混血人種でチベット系民族など。 南部モンゴロイド:新モンゴロイドとインドシナ人種との混血人種で漢民族(華南、台湾人)、ベトナム人(キン族)、ヤオ族、モン人(Hmong)、ミャンマー人(ビルマ族)、カレン族、ラオス人(ラーオ族)、タイ族(シャン族)など。 旧アジア人種:シベリア東部など。旧アジア諸族の総称。ユカギール人、チュクチ人、ギリヤーク人(ニヴフ)など。 エスキモー人種(イヌイット、アレウト):旧アジア人種とほぼ同様である。シベリア東端部、北アメリカ北端部(グリーンランド含む)など。 アメリンド:アメリカ先住民(ケット人含む)
※この「モンゴロイドの区分」の解説は、「モンゴロイド」の解説の一部です。
「モンゴロイドの区分」を含む「モンゴロイド」の記事については、「モンゴロイド」の概要を参照ください。
- モンゴロイドの区分のページへのリンク