メルセデス・MGP_W02とは? わかりやすく解説

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メルセデス・MGP W02

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/08 22:12 UTC 版)

メルセデス MGP W02
第7戦カナダGPにて
シューマッハが駆るMGP W02
カテゴリー F1
コンストラクター メルセデス
先代 メルセデス・MGP W01
後継 メルセデス・F1 W03
主要諸元
エンジン メルセデス
タイヤ ピレリ
主要成績
チーム メルセデスGP・ペトロナス・F1チーム
ドライバー ミハエル・シューマッハ
ニコ・ロズベルグ
出走時期 2011年
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズタイトル 0
表彰台(3位以内)回数 0
通算獲得ポイント 165
初戦 2011年オーストラリアグランプリ
最終戦 2011年ブラジルグランプリ
出走
回数
優勝
回数
ポール
ポジション
ファステスト
ラップ
19 0 0 0
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メルセデス MGP W02 (Mercedes MGP W02) は、メルセデスGP2011年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。2011年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。

概要

2011年2月1日バレンシア・サーキットで発表とシェイクダウンが行われたが[1][2]、1月30日にMGP W02の画像が流出する騒動が発生した[3]

シャシーはショートホイールベース化をコンセプトに設計された[4]スペインGPから、ラジエータを前後長の短い2層型に変更した[5]

ハイノーズは先端の位置が高く、極薄かつ偏平な形状に変更されている。前年のMGP W01では左右2分割式のインダクションポッドを採用していたが、レギュレーション変更により支柱型のロールバーが使用できなくなったため、通常のタイプに戻されている。逆に、ロータス・T128フォース・インディア VJM04は、規則の抜け穴を見つけてメルセデス方式を模倣している[6]

第2戦マレーシアGPにおける排気口の位置

技術トレンドに従い、リアサスペンションはプルロッド式に変更された[6]。序盤戦はサイドポッドの中央付近に排気口を設けていたが、これもレッドブル方式に倣い、イギリスGPからリアタイヤの内側に排気を吹きつけるブロウンディフューザーに変更した[7]

KERS2009年マクラーレン・MP4-24に搭載されたメルセデス・ベンツ・ハイパフォーマンス・エンジンズ製ユニットの発展形で、メルセデスユーザーのマクラーレンフォース・インディアにも支給される。

ウィンターテストではオーバーヒート症状が問題になり、サイドポッドの数箇所にルーバーが刻まれた。シーズン中にはインダクションポッドの両側にインテークが追加された[8]

2011年シーズン

コンストラクターズ順位では4位となったが、レッドブル、マクラーレン、フェラーリら3強チームとの差は大きかった。ワークス復活2年目も優勝を果たせず、表彰台獲得もなかった。

MGP W02は直線では抜きん出たトップスピードを発揮し、イタリアGPの舞台となるモンツァでは、同スペックのエンジンを搭載するマクラーレンがDRSを使っても抜きあぐねるほどだった。しかし、リアタイヤの磨耗が厳しく、スティント後半にペースが落ちる問題は解消されなかった。ニコ・ロズベルグ中国GPベルギーGPで首位を好走したが、レース終盤に燃費が悪化して順位を落とした。

シーズン終盤は、来季に向けてフロントウィング用のFダクト(Wダクト)をテストしていると報じられた[9]。これは2010年限りで禁止された切替え式と異なり、車速によって作動するパッシブタイプとみられる。また、若手ドライバーテストでは、ブロウンディフューザー禁止に備えたエキゾーストもテストした[10]

スペック

シャーシ

エンジン

  • エンジン名 メルセデス・ベンツ FO108Y
  • 気筒数・角度 V型8気筒・90度
  • 排気量 2,400 cc
  • 最高回転数 18,000 rpm (レギュレーションで規定)
  • バルブ数 32
  • ピストンボア 98 mm (レギュレーションで規定)
  • 重量 95 kg

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 ポイント ランキング
AUS
MAL
CHN
TUR
ESP
MON
CAN
EUR
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
SIN
JPN
KOR
IND
ABU
BRA
2011 7 シューマッハ Ret 9 8 12 6 Ret 4 17 9 8 Ret 5 5 Ret 6 Ret 5 7 15 165 4位
8 ロズベルグ Ret 12 5 5 7 11 11 7 6 7 9 6 Ret 7 10 8 6 6 7

脚注

[ヘルプ]
  1. ^ “ニコ・ロズベルグ、MGP W02に好感触”. F1-Gate.com. (2011年2月2日). http://f1-gate.com/rosberg/f1_10589.html 2011年2月3日閲覧。 
  2. ^ “ミハエル・シューマッハ 「W02はルックスも中身も美しい」”. F1-Gate.com. (2011年2月2日). http://f1-gate.com/schumacher/f1_10598.html 2011年2月3日閲覧。 
  3. ^ “メルセデスGP MGP W02、画像が流出”. F1-Gate.com. (2011年1月30日). http://f1-gate.com/mercedes-benz/f1_10542.html 2011年1月30日閲覧。 
  4. ^ 『オートスポーツ2月2日号』第1323号、三栄書房、2012年1月、 64頁。
  5. ^ “Mercedes MGP W02 - modified bodywork”. Formula1.com. (2011年5月21日). http://www.formula1.com/news/technical/2011/853/862.html 2011年12月16日閲覧。 
  6. ^ a b 世良耕太 (2011--). “メルセデスGP・ペトロナス・フォーミュラ・ワン・チーム”. STINGER. http://www.f1-stinger.com/f1-data/2011/team/mercedes_gp/machine/ 2011年12月9日閲覧。 
  7. ^ “Mercedes MGP W02 - revised exhausts & diffuser”. Formula1.com. (2011年7月9日). http://www.formula1.com/news/technical/2011/861/878.html 2011年12月16日閲覧。 
  8. ^ “Mercedes MGP W02 - revised cooling solution”. Formula1.com. (2011年5月29日). http://www.formula1.com/news/technical/2011/855/868.html 2011年12月16日閲覧。 
  9. ^ “メルセデスGP、2012年にむけて“フロントウイング Fダクト”を開発”. F1-Gate.com. (2011年10月19日). http://f1-gate.com/mercedes-benz/f1_13291.html 2011年12月9日閲覧。 
  10. ^ “メルセデスGP、2012年仕様のエキゾーストをテスト”. F1-Gate.com. (2011年11月17日). http://f1-gate.com/mercedes-benz/f1_13601.html 2011年12月9日閲覧。 
  11. ^ “メルセデスGP MGP W02”. F1-Gate.com. (2011年2月1日). http://f1-gate.com/mercedes-benz/mgp_w02.html 2011年2月3日閲覧。 




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