ムハンマドの絵画描写
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「ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ」の記事における「ムハンマドの絵画描写」の解説
詳細は「ムハンマドの表象」を参照 イスラームにおける偶像崇拝(ここでは、アッラーフ以外のものをあがめること)禁止の教義から、イスラーム世界では絵画や彫刻などの視覚芸術の発達にブレーキがかかった。とりわけ人物画は偶像崇拝につながりやすいとして回避されてきた。あえて描写する場合は「預言者になる前のムハンマド」などとして禁忌を回避する傾向が見られる。 しかし、これも地域差が非常に大きく、地域・時代によっては人物画を含めた絵画や彫刻が盛んに作られた場合もあり、預言者ムハンマドの肖像画も少なからず描かれた。ムハンマドの肖像画には「顔が隠されているもの」と「隠されていないもの」の両方が存在している。 このことは現代の日本でも配慮されていることがある。例えば集英社の学習漫画「世界の歴史」第6巻「マホメットとイスラムの国ぐに」(1986年刊行)では、ムハンマド(マホメットと表記)の顔は黒塗りで隠されたり逆光や後ろ姿・顔部分をカットする技法を活かして読者が閲覧して不自然にならない描写にしている。欄外には「イスラム教徒の中に、神や預言者の顔を描いてはいけないという教えがあるため、マホメットの顔を描いていない」旨の注記がある。しかし、同じシリーズで先に刊行された「世界の歴史人物辞典」(全1巻、1984年行)ではムハンマド(マホメット表記)の顔は他の人物と同じように描かれているが、改訂された2002年版では黒塗りで書き直されている。学研の学習漫画「学研まんが 世界の歴史」はシリーズ刊行当初(1992年)、第7巻が「イスラム帝国と預言者マホメット」として表紙はじめ各所でムハンマドの顔が描かれていたが、1995年になって7巻がそのまま別の主題(「西ヨーロッパの成立とカール大帝」)に差し替えられる形で旧版は絶版となった。他の歴史漫画でも、ムハンマドの顔を描かないように配慮したものもある。
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