ムハンマドの子孫に対する他の尊称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 01:21 UTC 版)
「サイイド」の記事における「ムハンマドの子孫に対する他の尊称」の解説
預言者ムハンマドの子孫の尊称としては、他にシャリーフ、ミールやハビーブなどが知られている。サイイドと同じ意味を持ち、「血統の高貴さを備える者」を意味するシャリーフの語は10世紀半ばから使われ、モロッコなどでは主にシャリーフが使われている。10世紀頃にはアッバース家の人間はシャリーフと呼ばれていたが、アッバース朝の滅亡などを経て、アッバース家の人間はシャリーフと見なされなくなった。アラビア半島のヒジャーズ地方ではフサインの子孫をサイイド、ハサンの子孫をシャリーフと呼んで区別している。また、中央アジアにおいては、サイイドはしばしばムハンマドの血を引かないカリフの末裔であるホージャと混同される。 尊称の一つとであるシャリーフ(アラビア語: شريف、Sharīf)は「高貴なもの」を意味する言葉で、高貴な人物や事物に対して一般的に用いられる。16世紀以降のモロッコに成立したサアド朝、アラウィー朝では君主はシャリーフに限られ、彼らの血統、彼らがもたらすバラカ(恩寵)が重要視されている。また、モロッコではシャリーフに対して「ムーレイ(Moulay)」という尊称が使われている。ムーレイはアラビア語の「マウラー(支配者、主人)」に由来する口語表現で「私の主人」を意味し、国王、学者、聖者などシャリーフの中でも特に優れた人物や地位の高い人物に対して使われる。
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